今坂正一とE-アシスト - KORASANA 98号が2022年6月30日に発行されました
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imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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KORASANA 98号が2022年6月30日に発行されました
久留米昆蟲研究會より会誌 KORASANA 98号が2022年6月30日に発行されました。

事務局では希望される方にそのKORASANA 98号を3000円で頒布しておりますので、その内容について紹介したいと思います。

KORASANA 98号をご希望の方は、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込まれるか、あるいは直接、事務局 國分謙一 kokubu1951@outlook.jp
までお申し込みください。

KORASANA № 98. 20220630 目次

報文・短報

小野 正則[ 犬ヶ岳におけるオオチャイロハナムグリの記録 ]・・・・・1
[ 田川市でホソコハナムグリを採集 ]・・・・・・・・・・・1
[ キンスジコガネを犬ヶ岳で採集 ]・・・・・・・・・・・・2
[ モリアオホソゴミムシを英彦山の外灯下で採集 ]・・・・・2
[ 福岡県田川地域におけるコガタノゲンゴロウの記録 ]・・・3
[ 庭のカエデからムラサキアオカミキリが羽脱 ]・・・・・・3
[ ジュウニキボシカミキリを福岡県犬ヶ岳で採集 ]・・・・・4
[ 英彦山でヒゲブトハナカミキリを採集 ]・・・・・・・・・4
[ 英彦山でヒラヤマコブハナカミキリを多数採集 ]・・・・・5
[ 英彦山のカラスシジミ ]・・・・・・・・・・・・・・・・6
[ 英彦山のウラゴマダラシジミ ]・・・・・・・・・・・・・8
稲畑 憲昭・相本 篤志[ 鹿児島県本土で採集したクロシオガムシ ]・・11
伊東 善之[ ホソアカバコガシラハネカクシを西表島から初記録 ] ・・12
今田 舜介[ 福岡市中央区南公園のヒゲナガゾウムシ ] ・・・・・・・13
森田 誠司[ クロモリヒラタゴミムシについて On Gyrochaetostylus
atricomes (Bates) ]・・・・・・・・・・・・・・・・・17
     [ アマミツヤヒラタゴミムシについて On Synuchus
amamioshimae Habu ]・・・・・・・・・・・・・・・・・21
[ ケナシツヤヒラタゴミムシの雄について On the male of
Nipponosynuchus abnormalis Morita ]・・・・・・・・・25
元永 学 [ トンネル内壁に大集結する昆虫 ] ・・・・・・・・・・・28
城戸 克弥[ 丸山式FIT で得られた筑前町砥上岳の甲虫類 ] ・・・・・29
[ 筑前町砥上岳で採集した甲虫類 ] ・・・・・・・・・・・41
緒方 靖哉・今坂 正一・森田 誠司[ あちこちで採集したゴミムシ類 ] 61
緒方 靖哉・城戸 克弥[ あちこちで採集したゾウムシ上科の甲虫類 ]・73
緒方 靖哉[ 昆虫採集逸話 オオチャイロハナムグリ ]・・・・・・・・80
[ 昆虫採集逸話 “虫に逆襲された話” ]・・・・・・・・・83
[ 昆虫採集逸話 “ Are you an entomologist ? ” ] ・・・86
勝間 信之・山本 浄司[ 北九州市戸畑区の市街地でヤブヤンマを採集 ]87
越智 恒夫[ ホソチビヒラタムシ属2 種の四国の記録について ] ・・・88
今坂 正一・國分 謙一[ 甑島採集紀行 その4 (2020 年9 月) ]・・・・89
矢代 学・今坂 正一・國分 謙一・細谷 忠嗣[ 甑島で2020 年7 月と9 月に
採集した昆虫類 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
小林 修司[ 秋の屋久島採集記 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・146
[ 多数のアオタマムシがモミ材から羽化脱出 ]・・・・・・150
[ トゲフタオタマムシがモミ材から羽化脱出 ]・・・・・・150
和田 潤・越智 恒夫[ クチキクシヒゲムシの採集に於ける知見 ] ・・151
國分 謙一・今坂 正一[ 福岡県RDB2014 に掲載されている蝶の調査(2021) ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・153
國分 謙一[ 熊本県における1 月のタテハモドキの記録 ]・・・・・・154
会員のスケッチ紹介? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・155
総会写真 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・155
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・156

(表紙)























小野さんによる犬ヶ岳産オオチャイロハナムグリの生態写真です。
ブナ洞内で採集したコガネムシ類の幼虫を飼育して、2年がかりで羽化させられたようです。結構、長時間かかるようですね。

小野さんは英彦山の山麓にお住まいのようで、田川市でホソコハナムグリ、同じくコガタノゲンゴロウ、庭のカエデからムラサキアオカミキリ、犬ヶ岳のキンスジコガネ、ジュウニキボシカミキリ、英彦山のモリアオホソゴミムシ、ヒゲブトハナカミキリ、ヒラヤマコブハナカミキリ、カラスシジミ、ウラゴマダラシジミなどレッドデータブックに掲載されている珍品を多数記録されています。

(キンスジコガネ)
















(左から、ジュウニキボシカミキリ、ヒゲブトハナカミキリ、ヒラヤマコブハナカミキリ)













カラスシジミとウラゴマダラシジミについては、1990年代以降の、減少してきた経緯も記録されていて大変参考になります。

稲畑さん・相本さんは鹿児島県本土からクロシオガムシを記録されました。
九州本土では、宮崎県、大分県につぐ記録とのことです。

(クロシオガムシと鹿児島県の生息地)














伊藤さんはホソアカバコガシラハネカクシを西表島から記録し、

(ホソアカバコガシラハネカクシ)
















今田さんは福岡市中央区南公園のヒゲナガゾウムシのリストを発表され、12種を記録されました。

(南公園の採集地)


















「東京都都心部の緑地や、他の福岡市内で自然豊かな地域と比べて、南公園には同程度の種数のヒゲナガゾウムシ類が生息しており、都市部におけるこの仲間の貴重な生息環境となっているといえる。」とコメントされています。

(ヒゲナガゾウムシ類の生態写真)



















森田さんは、「クロモリヒラタゴミムシについて」、「アマミツヤヒラタゴミムシについて」、「ケナシツヤヒラタゴミムシの雄について」と、3編の報告を掲載され、再記載や解説を含む重要な報文となっています。この類に興味のある方には必読の報告です。

(アマミツヤヒラタゴミムシ)
















元永さんは、トンネル内壁に大集結する昆虫と題して、愛媛県西条市藤之石寒風山隧道の内壁に大量の昆虫が集結しているのを報告されています。

「5 月7 日はカタホソハネカクシを主にハネカクシ類など、甲虫類だけ計133 匹採集。6 月4 日は、ハエ目やハチ目が主体と変化し、ベニボタル科やジョウカイボン科など季節の変化が感じられた。左側で甲虫類だけ計177 匹採集。

別場所のトンネルを何本か見て回ったが、同様の現象は確認できていない。これは何か特定の条件下でなる、言わば自然界のFIT のようなものではないかと考えている。採集品にコガネムシ科(マグソコガネは採集)やクワガタムシ科など大型種はいない。」とコメントされています。

元永さんは会誌96号では、道路壁面の水抜きパイプにネットを張って、地下浅層に生息するメクラチビゴミムシなどの昆虫類の採集方法を紹介されていたし、とにかく、目の付け所が一般虫屋と違うので、目が離せません。

城戸さんは、毎年、調査場所を1箇所選定して、通年調査を続けて報告されています。

今回は福岡県筑紫野市山家と筑前町砥上・曽根田に境をなす砥上岳(とかみたけ、標高496.4m)中腹の雑木林で、丸山式FITによる調査と、それ以外の採集方法の2つの報告を書かれています。

「丸山式FIT で得られた筑前町砥上岳の甲虫類」では283種を、「筑前町砥上岳で採集した甲虫類」では493種を記録され、重複分を除いて、当地から691 種を記録したことになるそうです。

「砥上岳は典型的な里山で、ほぼ全域にわたって人の手が何らかの形で入っていると言って良い。特に、自然林がないことや乾燥のひどさは思った以上であった。一方で、山麓部は広く、水田、畑地、荒れ地、川やため池などの水域と大変変化に富んだ地である。そのため、山地性と呼ばれる種や食菌性の種は全体に少なく、一方で、明るい場所を好む種や生きた草につく種などは結構見ることができた。」とコメントされています。

県内からあまり記録がない種として、マルツヤマグソコガネ、ホソコハナムグリ、クチキクシヒゲムシ、アオマダラタマムシ、キタベニボタル、ムモンシリグロオオキノコムシ、ツツヒラタムシ、ギョウトクテントウ、ムナビロクチキムシ、ホソキスジノミハムシ、チャマダラヒメゾウムシ、ヨツボシヒメゾウムシなどの記録は興味深いと思います。

緒方さん、今坂、森田さんによる「あちこちで採集したゴミムシ類」は、所謂、緒方さんの「あちこち採集」のシリーズで、北海道各地、四国剣山、琉球列島などで採集されたオサムシ科甲虫91種を報告されたものです。

大部分は今坂が同定し、問題がありそうな種については、森田さんが再同定して、学名の検討もしていただきました。

特にヒラタゴミムシ類など、今坂は「河川と水辺の国勢調査」などアセス関係で使用されている学名を用いていますが、森田さんによると、亜属が属に昇格するなど、相当、変更されているようです。

日本産昆虫目録の発行で、他の分野では学名や分布など、相当変更・整備されていると聞きますが、甲虫類はまだ未発行で、専門家以外は、どの学名を使用すれば良いか判別できない状態のままです。

この報告でその一端が明らかにされたとしたら喜ばしいことです。

剣山で発見されたアワナガゴミムシの近似種とキュシュウナガゴミムシの近似種については、森田さんが研究を継続されています。

(緒方ほか図版1)























また、森田さんによれば、マルオカモリヒラタゴミムシの♀は従来知られていなかったために、Eucolpodes 属に所属させられてきたが、今回♀が見つかったことにより、所属をOnchostylus属に変更されたそうです。

図鑑類に写真が掲載されていないチャイロヒラタゴミムシとワタナベヒラナガゴミムシの写真も、今回掲載しました。

(緒方ほか図版2)























(緒方ほか図版3)























緒方さん、城戸さんの、「あちこちで採集したゾウムシ上科の甲虫類」も同様のシリーズで、城戸さんの要請に応えて、緒方さんが福岡県を中心に、九州各県と沖縄県で採集されたゾウムシ類83種を城戸さんに同定していただいて、とりまとめをされ、報告されたものです。

緒方さんは、その他単独で、昆虫採集逸話3編、オオチャイロハナムグリ、“虫に逆襲された話”、“ Are you an entomologist ? ”を書かれています。

(4種のオオチャイロハナムグリ類)























勝間さんと山本さんは、北九州市戸畑区の市街地からヤブヤンマを報告されました。

(ヤブヤンマ)





















越智さんは、四国の記録が少ないホソチビヒラタムシとグルーベルホソチビヒラタムシを報告されました。

(ホソチビヒラタムシとグルーベルホソチビヒラタムシ)
















ホソチビヒラタムシは香川県(小豆島)以外の四国3県からは初記録、グルーベルホソチビヒラタムシは香川県初記録です。

次は、今坂と國分さんによる「甑島採集紀行 その4 (2020 年9 月)」です。

2019年から始めた甑島の調査ですが、2020年9月は4回目、今回は國分さんと二人だけの調査でした。

2020年9月22日から28日まで訪れましたが、このちょうど2週間ほど前、台風10号が甑島の至近距離を通過し直撃したばかりで、各地にその爪痕が数多く残されていました。

顕著だったのが、林道の通行止め、県道の陥没、道横の倒木となぎ倒され赤茶けた山肌などです。尾岳など登山道は倒木で埋まり、電信柱までなぎ倒されていました。

また、この少し前、8月30日に中甑島と下甑島を繋ぐ甑大橋が開通して、上甑島、中島、中甑島、下甑島の4島が陸続きとなったことで、上甑島の民宿に腰を落ち着け、全島に通いました。

調査途中でフェリーに乗り、宿を変えたりする手間は省けましたが、北端の上甑島から最南端の手打まで(ほぼ片道1 時間かかる)、連日の遠出はさすがにタイムロスが大きく、やはり、宿を複数にして、宿の近くで採集する方が効率的と痛感しました。

それでも、ライトFITなど夏物のクワガタや水物も多数飛来し、結局330種を採集し、甑島初記録として29種を追加しました。

(甑島図版1)























(甑島図版2)























次いで、矢代さん、今坂、國分さん、細谷さんによる「甑島で2020年7月と9月に採集した昆虫類」です。

これば、2019年にSatsumaに報告した、 矢代ほか「2019年までに採集した甑島列島のマイナー昆虫類」の続編に当たります。
2020年7月と9月に採集した雑昆虫類をまとめたもので、243種を記録し、うち、107種が甑島初記録です。
ヒメマルゴキブリ、マダラゴキブリ、ヒメチャバネゴキブリ、スジハサミムシ、カドフシニセハリアリの5種は琉球系の種で、甑島は北限となり、注目されます。

その他、人為的な分布が疑われるハマスズ、アギトアリ、また、直ぐ近くの九州本土の分布が知られていないヒメコウラコマユバチ、ヤマトクロツヤバエ、環境省RLに上げられているアカオビケラトリ、ナミルリモンハナバチなども注目されます。

(甑島の昆虫図版)























小林さんの「秋の屋久島採集記」はヤクシマエンマコガネとヤクシマオニクワガタを目的に屋久島に行かれた採集記です。

2020年9月26日から29日まで、牛糞トラップを設置し、朽木を割って採集に奮闘された様子が生き生きと描かれています。

同好会誌はこうした採集記が基本の1つで、行ったことない土地、採ったことの無い虫の記述に、思いを馳せたものです。

結局、目的の種は採集されたようで、これらの記録も含めて34種のリストを掲載されています。

小林さんは、その他に、アオタマムシとトゲフタオタマムシの、宮崎県五葉岳のモミから脱出させた記録を書かれています。

和田さんと越智さんは、クチキクシヒゲムシのオサ掘りによる採集記録を紹介されました。

クチキクシヒゲムシは生態の良く解らない種で、ほとんど、偶然に見かけたものが採集されています。北アメリカ産の近似種はセミに寄生することが知られています。

(クチキクシヒゲムシ図版)


















國分さんと今坂は、2021年度に調査したRDB種のチョウの記録をまとめました。

ミヤマセセリは八女市のクヌギ林各地に多く、
ミヤマチャバネセセリは八女市星野村瀧川内渓谷で、
ヒメキマダラセセリは同じ瀧川内渓谷で、
コツバメは八女市上陽町上横山と瀧川内渓谷で、
スギタニルリシジミは瀧川内渓谷で、
ヒオドシチョウと、ウラギンヒョウモンと、ジャノメチョウは犬ヶ岳で確認しました。

國分さんはまた、熊本県玉名市天水町野部田における1 月のタテハモドキ採集例を記録されています。

会員のスケッチ紹介?として、斎藤さん画のイブシアシナガドロムシを掲載しました。今回は築島さんが解説されています。

(イブシアシナガドロムシ)



















今年はこの後、さらに2冊の会誌発行が計画されていて、既にその分の原稿作成も進んでいます。
今後、さらに投稿が多いようであれば、4冊目の発行も考える必要があるでしょう。