今坂正一とE-アシスト - KORASANA 97号が2021年12月31日に発行されました
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imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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KORASANA 97号が2021年12月31日に発行されました
久留米昆蟲研究會より会誌 KORASANA 97号が2021年12月31日に発行されました。

事務局では希望される方にそのKORASANA 97号を3000円で頒布しておりますので、その内容について紹介したいと思います。

KORASANA 97号をご希望の方は、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込まれるか、あるいは直接、事務局 國分謙一 kokubu1951@outlook.jp
までお申し込みください。

KORASANA № 97. 202201231 目次

報文 ・短報

森田誠司[ 我が国から 初めて 記録されるフウレンチビヒョタゴミムシ(新 称)Dyschirius (Dyschirius) shantarensis Lafer]・・・・・・・・・1

上森教慈・大對桂一[ 九州初記録のナンブジガバチモドキ ]・・・・・・7
上森教慈・外村俊輔[ 福岡県篠栗町におけるギンスジヒゲナガの新産地 ]8
上森教慈・外村俊輔[ 鹿児島県南大隅町におけるベニオビヒゲナガの新産  地]・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9

今田舜介[ 福岡市におけるコカブトムシの採集例 ]・ ・ ・ ・ ・・・ 10
今田舜介[ 福岡県及び大分におけるシマクサアブの新産地 ] ・・・・・11

田畑郁夫[ 九州産クサビウンカ類に関する知見 ]・・・・・・・・・・ 13
田畑郁夫[ 九州産オビコガシラグンバイウカについて ]・・・・・・・ 16
田畑郁夫[ 北九州市からのスカシハゴロモドキ記録 ]・・・・・・・・ 18
田畑郁夫[ 筆者の本誌報文に関する補足説明 ] ・・・・・・・・・・・19
田畑郁夫[ 脈相ノート 2:Venation Notes 2 ]・・・・・・・・・・・ 20
田畑郁夫[ ヘビトンボ類幼虫の英語名(俗称)および
 九州産ヤマトクロスジヘビンボ近似種に関する若干の知見 ] ・・・・ 21
田畑郁夫[ 九州ー南西諸島に産することが知られていな脈翅類 若干の既知種の知見を含む ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

大對桂一・上森教慈・村尾竜起[ 福岡県那珂川市郊外における有剣ハチ類の 記録 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
内藤準哉[ 2019年に岐阜県日和田高原とその近傍で調査採集した甲虫類 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
小旗裕樹[ アヤモンチビカミキリを福岡県みやま市で採集 ] ・・・・・56
小旗裕樹[ 熊本県菊池渓谷で採集したオビレカミキリ ] ・・・・・・・56
小旗裕樹[ 福岡市西区周船寺で採集したコガムシ ] ・・・・・・・・・57
小旗裕樹[ 福岡県下の筑後川中流域でヒメカクスナゴミムシダマを採集 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
畑山武一郎・藤本博文[ タカクワヒメハナノミの四国記録について]・・59

緒方義範[ 芦屋海岸で2021年に採集した甲虫類 ] ・・・・・・・・・・62

緒方義範[ 尺岳でフタコブルリハナカミキを採集 ] ・・・・・・・・・63

緒方義範[ オナガカツゾウムシを遠賀川で採集 ] ・・・・・・・・・・64

竹田昌史[ ホソクリタマムシの佐賀県及び福岡初記録と大分追加]・・・65
竹田昌史[ 佐賀県産甲虫の追加記録 (新記録・新産地記録) ]・・・・・66

江頭修志[ ゾウムシ類の記録 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・71
城戸克弥[ 森本桂コレクシ ョン中の福岡県産ゾウム ]・・・・・・・・87
城戸克弥[ 福岡県で採集した甲虫類 (20 ) ]・・・・・・・・・・・・103
緒方靖哉・城戸 克弥[ エンマムシ類の採集記録 ] ・・・・・・・・・115
緒方靖哉・城戸 克弥[ あちこで採集したケシキスイ、デオノコムなどの甲虫 類 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
緒方靖哉[ 昆虫採集逸話“危機一髪だった” ]・・・・・・・・・・・124

國分謙一[ 冬虫夏草の古記録「筑後地誌畧」紹介およびそ関連について ] ・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126

今坂正一・國分謙一・和田潤・築島基樹[ 平尾台で2021年までに確認された 甲虫類ついて- 福岡県 福岡県 福岡県 RDBRDBRDB調査の一環として確認され た昆虫類を含む-] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・135
今坂正一・國分謙一・和田潤・築島基樹・有馬浩一[ 犬ヶ岳で2021年に確認 した甲虫類]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199

会員のスケッチ紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
コラム 梅野 忠 「 宝満山・喜寿登山 」 ・・・・・・・・・・・・・・231

(表紙)






















今回、日本国内から初めて報告されるゴミムシ、フウレンチビヒョタゴミムシです。
汽水湖である北海道風連湖の潮間帯から発見された種で、砂の中から姿を現した時、金色に輝いていたそうです。
本種については、森田さんの記事を参照ください。

今回は長短32編の報告に加えて、会員によるハネカクシのスケッチと、コラムを掲載しました。

まずは、その森田さんによるフウレンチビヒョタゴミムシ発見のいきさつと、形態の再記載です。
汽水域で見つかった特異なチビヒョウタンゴミムシと思われます。
KORASANAも日本初記録種の再記載を掲載するようになり、意義深いことです。

(フウレンチビヒョタゴミムシ図版)























次いで、上森さん・大對さん・外村さんによる3編、九州初記録のナンブジガバチモドキと、ギンスジヒゲナガ、ベニオビヒゲナガのそれぞれ新産地です。
ヒゲナガガもなかなか綺麗な物ですね。ただ、展翅が大変そう。

(上森ほか、図版)


















今田さんの、コカブトムシとシマクサアブの記録。

(今田図版)













環境省RL種であるシマクサアブは、九州の記録がほぼ網羅されていますが、ちょっと良い草地があれば各地にいると思います。
今坂は壱岐でも記録しています。

今坂正一, 2012. 2009年6月壱岐の甲虫採集記?長崎県RDB見直し調査の一環として、付き記録の纏め?. こがねむし, (78): 26-51.

田畑さんの7編は、何時もながら、他では決して見ることの出来ない分類群の、精緻な考察と、見事な標本(展翅技術)が特徴です。

(クサビウンカ類など)




















「壊れやすいこれらの標本を、1頭ずつ別容器に、乾燥しないように保管して持ち帰り、その日のうちに展翅する」と、いつか伺ったことがあります。

(ヘビトンボ、クシヒゲカゲロウなど)















この一見グロテスクなヘビトンボとの出会いが、「虫屋になるきっかけ」とは、数ある虫屋の中でも、すこぶる付きの稀種虫屋だと思います。

大對・上森・村尾さんの、那珂川市の有剣ハチ類の記録は、従来、見たことのあるハチの報告としては、かなり新鮮でした。

と言うのも、調査場所はほぼ市街地の周辺部で、まともな植生があるとは思えない場所だったからです。

(調査場所)



















どこも地方都市であれば、車で15分も走ればたどり着けそうな場所に思えます。
そんな場所でも、1年間で、これほど多くのハチ類と出会えるとは驚きです。
特にコハナバチ、ヒメハナバチ類はこんなに多くの種がいるんですね。

この調査では169種のハチを記録されています。
前述の九州初記録のナンブジガバチモドキを始めとして、シイバムカシハナバチヤドリ、キユビグングチ、ハコダテギングチなどの珍品や、オオセイボウなどのRDB種も記録されています。

つまるところ、九州では、市街地周辺を含め、ハチ類に関してはまだまだ、ファウナ調査が遅れていることを指摘されたことになるかと思います。

(大對ら図版)























内藤さんは、岐阜県日和田高原とその近傍の甲虫類を報告されました。

(内藤図版)























ハラグロビウドコガネ、アキタクロナガオサムシ、ヨツメツヤシデムモドキ、オオアオハムシダシ、オヤマヒメハナカミキリなど、本会会員にはなじみが少ない、九州には分布しない種が多数掲載されています。

小旗さんは南方系のアヤモンチビカミキリをやや内陸のみやま市から、県RDB種のコガムシを福岡市西区から、県内の記録が少ないヒメカクスナゴミムシダマシを筑後川から記録されました。

(小旗図版)
















次の精密画は、新入会の斎藤さんによるものです。2mmほどのニセヒメユミセミゾハネカクシで、河川水辺におり、灯火に飛来します。

このような微小で目立たない虫の、根気のいる描画、ご苦労様です。

(斎藤さんのスケッチ)























今後、会員各位どなたでも、自信作のイラストでも生態写真でも、投稿いただければ掲載する予定です。
カラー、淡彩何でも受け付けます。奮って投稿下さい。

次は、畑山・藤本さんのタカクワヒメハナノミ四国産の報告です。

(タカクワヒメハナノミ)























この種については、畑山さんは種として記載される前から、沖縄産で存在を認識されていたようです。
しかし、遠く離れた四国の徳島・香川県本土や小豆島産を発見されて、相当、頭を悩まされた様子が本文より解ります。

それぞれの種の生息域がどんなところか、ちゃんと解るまでは、なかなか想像が付かないものです。
いつも予想を裏切られ、そういう種が結局は珍品と呼ばれているのだろうと思います。
解ってしまえば、その場所に、ある一定以上の個体数はいるはずですから。

本号には、二人の緒方さんが投稿されていますが、最初の緒方さんは北九州在材の甲虫屋さんです。

緒方義範さんは、北九州周辺のRDB種を中心に3編を報告していただきました。

(緒方義範図版)























芦屋海岸の砂浜で採集した甲虫16種のうち、ニセセマルケシマグソコガネとニセマグソコガネダマシの2種は県RDB種、ヤエマニセツグソコガネは県初記録です。

また、北九州尺岳のフタコブルリ ハナカミキリ、遠賀川のオナガカツゾウムシも県RDB種です。
特に後者は、湿地性で九州では宗像市の1例が知られるだけの珍品です。
遠賀川に本種が生育できるような湿地があるとは思いもよらず、今後是非、調査してみたいと思います。

今年中に、KORASANA誌上で、佐賀県産甲虫目録の発行が計画されていますが、竹田さんには、その一助として佐賀県および福岡県の初記録種を投稿いただきました。

(竹田図版)
















ホソクリタマムシは佐賀・福岡両県初記録、アカモンミゾドロムシ、コマルヒメドロムシ近似種、マルヒメツヤドロムシ、コクロツヤヒゲナガハノミ、アカイロテントウ、タナカツヤゴミムシダマシ、エゴヒゲナガゾウムシ、ヒメシギゾウムシ、キオビシギゾウム、アカハモグリゾウムシ、キボシトゲムネサルゾウムシ、シロアナキゾウムシ、フトアナキゾウムシの13種は佐賀県初記録です。

また、佐賀県内では唯一、多良山系で記録があったマダラクワガタを脊振山から記録され、分布の中間を埋められています。

江頭さんは、城戸さんの呼びかけに応じて、ゾウムシの記録を報告されました。福岡県産を中心として、ほぼ九州全域産の230種を記録されています。
このうち、イシカワクモゾウムシ(大分黒岳産)は九州初記録です。

城戸さんは、昨年から福岡県産ゾウムシの記録を蒐集されています。
今回はゾウムシの世界的権威・故 森本 桂名誉教授が蒐集された九州大学総合博物館所蔵のコレクションから、未発表の福岡県産を纏め、159種を記録されました。

(九州大学総合博物館所蔵の森本コレクション)



















文末にある、城戸さんの次のコメントを読んだ上でこのリストを眺めると、なかなか感慨深い物があります。

「福岡県産で最も古い標本は1920年代末から1935年頃にかけて英彦山やその周辺の山々、福岡市や立花山、若杉山などの地で採集されたものであった。
採集者には江崎悌三、安松京三、堀浩らの名が多数出てくる。

中略

1952年には森本桂が九州大学に入学し、教養部近くにあった平尾(現在の南公園一帯)や福岡市及びその周辺の標本が多数見られた。

また、この頃からは木元新作、神谷(佐々治)寛之、大熊千代子、日浦勇、宮武頼夫らによる標本も見られた。
1970年代には入江平吉、その後、野村周平、野田亮らの標本が目についた。主たる人物だけを記してみたが、このコレクションは九州大学農学部昆虫学教室の歴史を垣間見るような標本であった。」

さらに、城戸さんは、「福岡県で採集した甲虫類 (20)」を発表されました。

2021年に県の許可を得て調査された英彦山山系犬ヶ岳の甲虫188種と、独自に調査された筑前町大隅地区の甲虫34種、その他の2021年の調査から甲虫68種を記録されています。

犬ヶ岳の調査は、この後紹介するように、今坂等も一緒にやっていますが、得られている種の顔ぶれがかなり違うことが解ります。

目についたところでは、オオダイセマダラコガネ、ミヤマナカボソタマムシ、ルイスナカボソタマムシ、オニチャイロツヤハダコメツキ、カタスジアミメボタル、キイロチビオオキノコ、トゲムネツツナガクチキ、アトコブゴミムシダマシ、セスジトビハムシなど、城戸さんのみが採集されています。

一人ずつ、やることも違い、相性もあるので、ファウナ調査は可能な限り大人数でやる方が多様性が増大し良い様です。

「エンマムシ類の採集記録」は、今号、二人目の緒方さんが各地で採集されたものを、城戸さんに同定依頼をして、纏められたものです。

北海道と本州北部の記録しかなかった大分県黒岳産のアイヌエンマムシ、石垣島産の移入種と目されているタイワンオオエンマムシの記録は注目されます。

(緒方・城戸a 付図)











同様に、お二人でケシキスイ・デオキノコムシ他のさまざまな甲虫も報告されています。

(緒方・城戸b 付図)











同じく緒方さんの、「危機一髪だった」は、北アメリカでの採集中にヒヤッとした話です。
銃社会のアメリカでは、虫取りの最中でも命にかかわることもあるそうで、銃に注意しないといけないようです。

(北アメリカ産ノコギリカミキリ?の一種)






















國分さんの「筑後地誌畧」は、冬虫夏草の古文書を紹介した物ですが、畧の字が読めずに、色々調べてみたところ、略の異体字と言うことが解りました。
確かに、略の字の各の上に田を移した字になります。

後で、本文をよく読むと畧の横に(略)と添えてあり、調べるまでもなかったことに気がつきました。

(筑後地誌畧表紙・奥付)


















冬虫夏草は主として地中に潜ったカメムシ類などに寄生する菌類のグループですが、かつては薬として重宝され、寄主が昆虫類なだけに、虫屋の興味を引いたようです。

昆虫界の先駆者 九州大学昆虫学教室 初代教授の江崎悌三博士の調査の記述から始まることに納得です。
あるいは、冬虫夏草は昆虫学の分野の1つと考えられていたのかもしれません。

(付図・冬虫夏草の絵)























國分さんの解説では、この冊子の著者の一人が本会の創設者 梅野 明・初代会長のご尊父 梅野多喜蔵氏とあって、詳しく紹介された理由の1つが解りました。

この親にして、戦前に梅野昆虫研究所を設立し、戦後、久留米昆虫同好会を創立した子(明氏)があったわけです。

詳細は本文をご覧下さい。

さて、最後の2編は福岡県レッドデータブック関連です。

福岡県では、2021年度から3年間の予定でレッドデータブックの見直しが始まり、今坂・國分両名は委員を拝命しました。

それで、従来、採集禁止の場所である、平尾台と英彦山山系のブナ帯の調査をすることにして、調査協力者3名と共に許可をいただいたわけです。

その2021年度の調査報告が次の2編です。

平尾台はカルスト台地の草原ですが、かつてオオウラギンヒョウモンの生息地として有名で、甲虫類でもルリナガツツハムシ、アサカミキリ、ヒメビロウドカミキリ、バッタのオオクサキリなど、草原性昆虫が多産することで虫屋に知られていました。

(平尾台の写真と地理)









しかし、チョウ類を始め、纏まったリストがなく、生息する種の全貌は殆ど知られないまま、国定公園内の特別保護地区として採集禁止の措置がとられてきました。

この状態を打破すべく、甲虫とチョウを中心に、2021年度調査の結果をとりまとめ、さらに、蛾類を除く全昆虫類についても過去の記録を含めて取り纏めてみたのがこの報告です。

(平尾台図版1)























2022年以降も調査は続けますが、この報告が平尾台産昆虫ファウナ調査のたたき台になればと思っています。

現時点で、平尾台から記録された昆虫類としては、甲虫795種、チョウ61種、トンボ27種、カメムシ目50種、バッタ類36種、ハチ8種です。

(平尾台図版2)























また、平尾台産の種のうち、福岡県RDB2014と環境省RLに掲載されているのは63種にのぼり、その大半が草原性の種です。
国定公園として保護されているとはいえ、数キロ四方にこれだけ多くの希少種が生息していることは非常に重要です。

なお、蛾については、佐々木さんや、九州大学のメンバーが以前より調査を続けられているので言及しませんでした。
今後、この人達により詳細な報告がなされることを期待します。

さらに、英彦山では、ブナ帯まで車で調査に出かけられる場所として、同山系の犬ヶ岳を選びました。

(犬ヶ岳の位置)























2021年度は大雨等が多く、調査は難航しましたが、幸い、和田さん、築島さん、有馬さんなど、久留米昆のメンバーがRDB調査の協力者として参加していただきました。
その結果、福岡県ではブナ帯など高山でしか見られない種を中心に甲虫519種を記録することができました。

(犬ヶ岳図版1)























この中には、ゴホンダイコクコガネ、ツノコガネ、ヒコサンクビボソジョウカイ、クシヒゲビロウドムシ、ウスイロアカハネムシ、セダカコブヤハズカミキリ北九州亜種、アワツヤドロムシ、オオオバボタル、クスベニカミキリなど9種の福岡県RDB種が含まれています。

(犬ヶ岳図版2)























ただ、犬ヶ岳山頂周辺のブナ帯における樹林内の荒廃は想像以上で、樹林内には低木層や下草が殆ど無く、山林内はかなり遠くまで見通せる状態です。

試みに、植生を敏感に反映するハムシ科のうち、確認できた種を数えてみたところ24種で、これは確認できた全甲虫の4.6%にあたります。

一方、2017-2018年に調べた釈迦岳では151種で、これは全確認甲虫の10.4%でした。一般にブナ帯ではそれくらいのハムシが生息しているわけです。
それから考えると、犬ヶ岳で確認されたハムシは、比率として釈迦岳の半数以下ということになります。

さらに、下草など草本を食べる種の、木本を食べる種に対する割合も、犬ヶ岳では8.3%に対して、釈迦岳では39.5%でした。

釈迦岳が通常の状態と考えると、犬ヶ岳では8.3/39.5で、通常の21.1%に減少したことになり、つまりは草本食の種の8割が失われた計算になります。

ブナ帯の樹林のファウナの荒廃を、目の当たりにした調査結果となりました。