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自然系調査掲示板 : 嘉瀬川ダムの甲虫調査 4

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imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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嘉瀬川ダムの甲虫調査 4
嘉瀬川ダムの4回目です。

(調査地点)































今回は直接ダム建設の影響を受けない、ダム周辺の広葉樹二次林周1と周2を取り上げます。

直接ダム建設の影響を受けないと書きましたが、周1は2011年以降、湛水の影響で、その地点に続く道路の一部と、下流部の一部が水没したため、それを補完する意味で、周2を設定し、2011年、2012年の調査を行っております。

まず、ダム湖右岸側、境谷の周1から紹介します。

7. 周1(佐賀市富士町大字栗並、標高310m)

嘉瀬川ダムの右岸、銀河大橋の500mほど南、道路の下から南西方向に入った谷です。この谷は境谷と言い、かつての大字、栗並と畑瀬(下流側)の境になる谷のようです。渓流沿いに左岸側は急斜面で広葉樹二次林が繁り、右岸側に林道が通っており、右斜面はスギの植林地になっていました。川幅はごく狭く、暗い谷間で明るい空間は少なく、河川敷は一部に雑木が生えている程度でした。

(周1のダム建設前と現在の写真: 赤円内が概略調査範囲)









































上記のように、狭い谷で動き回れる範囲も狭いため、確認種数は余り多くありません。

(2010年9月: 谷の入り口付近)


















(2010年9月: 谷の上流部)


















(2011年8月: 上流の林道沿いの明るい空間)


















(2012年10月: 入り口付近)


















(イタドリ葉上のカシルリオトシブミのペア)




















(地上を這っていたヨツボシモンシデムシ)




















周1では任意採集として、2009年5月5, 9日、8月18日、2010年5月1日、9月29日、2011年5月6日、8月29日、11月7日、2012年5月25日、8月25日、10月31日の10回です。ライトトラップとピットフォールトラップを2009年5月2-3日と2011年5月4-5日の2回実施しています。

周1では4年間の調査で173種が確認できました。

年度ごとでは、2009年(80種)、2010年(45種)、2011年(66種)、2012年(57種)です。

このうち、以下の10種は佐賀県から記録の無い種で、佐賀県初記録になります。

シワバネセスジハネカクシ、アシマダラカワベメダカハネカクシ、フタホシシリグロハネカクシ、オオマルズハネカクシの近似種、ウエダニンフジョウカイ、キアシツブノミハムシ、クロテントウノミハムシ、アカアシホソクチゾウムシ、アカクチホソクチゾウムシ、タデトゲサルゾウムシ。

このうち、前回までに紹介していないのは、シワバネセスジハネカクシ、フタホシシリグロハネカクシ、クロテントウノミハムシの3種です。

(シワバネセスジハネカクシ)
















ネセスジハネカクシの仲間は未記載種も数種知られるなど同定が難しく、なかなか記録できません。本種は伊藤さんに同定していただきました。北海道から九州まで広く分布する種です。

(フタホシシリグロハネカクシ)
















上翅に黒い紋を持つのが特徴、本州から奄美大島まで、枯れ草などにいます。

(クロテントウノミハムシ)
















ネズミモチに付く種ですが、九州の固有種で珍しい種です。同じ属の種はほとんど赤い紋を持ちますが、本種は全体黒色で紋はありません。

さらに、以下の27種は、脊振山系から記録の無かった種で、脊振山系初記録となります。

コクロヒメゴモクムシ、アカバマルタマキノコムシ、オオツヤセスジハネカクシ、アラハダドウナガハネカクシ、サビハネカクシ、ニセヒゲナガコガシラハネカクシ、オオヒメキノコハネカクシ、ムクゲヒメキノコハネカクシ、クロヒメキノコハネカクシ、シロテンハナムグリ、タマムシ、タラチビジョウカイ、オオホコリタケシバンムシ、アカボシチビヒメハナムシ、ナミアカヒメハナノミ、タカオヒメハナノミ、チャイロヒメハナノミ、トケジクロヒメハナノミ、オオスミヒメハナノミ、ミズキコブハムシ、ムネアカキバネサルハムシ、ツヤキバネサルハムシ、エノキハムシ、クロボシトビハムシ、ヨモギトビハムシ、セマルトビハムシ、ヒメアオタマノミハムシ、ミカドキクイムシ。

(オオスミヒメハナノミ)
















本州から石垣島まで、暖地のヨシ原などで見られる種です。嘉瀬川ダムのような標高300mもある高地で見つかったのは珍しいと思います。目が大きく、後肢の段刻式が4.3.2.2となるのが特徴です。

(セマルトビハムシ)


















ベニシダなど林床に生えるシダを食べるハムシ。本州、四国、九州に分布します。

その他、以下の26種は周1のみで見つかっています。ほとんど樹林性の種で、脊振山系からは既に記録があります。

クビアカモリヒラタゴミムシ、カワツブアトキリゴミムシ、ヤセアトキリゴミムシ、コヨツボシアトキリゴミムシ、クロヘリアトキリゴミムシ、セダカマルハナノミ、コブマルエンマコガネ、アオハナムグリ、ニホンチビマメコメツキ、カクムネベニボタル、テングベニボタル、クロマルケシキスイ、キノコヒラタケシキスイ、アミモンヒラタケシキスイ、キスイモドキ、ルイスコメツキモドキ、ルリテントウダマシ九州亜種、トサヒメテントウ、フタモンヒメナガクチキムシ、オオクチキムシ、ムナグロツヤハムシ、イチモンジハムシ、フタホシオオノミハムシ、ムシクサコバンゾウムシ、チュウジョウアナアキゾウムシ、トドマツオオキクイムシ。

(トサヒメテントウ)
















珍しいテントウムシで佐賀県では脊振山系と武雄・黒髪地区で見つかっていますが、長崎県からは記録がありません。

(ムシクサコバンゾウムシ)
















水辺に生えるムシクサにいる種。

その他、周1で確認された特徴的な種は、入3でも見つかっているオオニジュウヤホシテントウです。脊振山系では既に記録されています。

(オオニジュウヤホシテントウ)
















入3の項で述べたように、本種は、本州ではジャガイモ(ナス科)の害虫として有名で、各地に普通です。しかし、九州ではジャガイモには見られず、今のところ、平地でも見つかっていません。
九州産はほぼ、標高300-500m程度のやや暗い湿気の多い谷間で、ナス科のツル植物であるマルバノホロシの葉を食べているものが見つかっています。

(スギにからみついたマルバノホロシ、赤い実が見えます)


















私は九州産の本種は、今までにこの嘉瀬川ダムの入3と周1、福岡県朝倉市杷木、大分県竹田市久保の3カ所でしか見たことがありません。ホストも全てこのマルバノホロシでした。本種を同定していただいた小原さんに深謝します。

と言うことで、九州では、低-中山地の谷間に生えるツル性植物から採らない限り、オオニジュウヤホシテントウではないと思われます。それで九州に於いては、既に知られている分布記録の中でも、ごく一部を除いて、大部分はニジュウヤホシテントウの誤りであろうと考えるわけです。

片倉(1988)は1冊丸ごと、本種に代表される日本産オオニジュウヤホシテントウ種群数種をとりあげ、主として北海道と関東周辺の種や個体群について、変異、食性、種分化などについて詳しく述べています。しかし、九州産の個体群については、ほとんど触れていません。

片倉晴雄, 1988. 日本の昆虫? オオニジュウヤホシテントウ. 文一総合出版, 159pp.

九州産の食性についての言及がないのは、本種群の食性等の研究者大部分に言えることのようです。

日本国内で広くジャガイモの栽培が始まったのは1900年代に入ってからと言われていますので、ジャガイモを食べる本州産も、ジャガイモが広く栽培される以前は野生のナス科を食べていたと思われます。

ジャガイモが伝わった後、ある個体群がそれを食べて生育できるように食性転換をしたのでしょう。より好みに合う食草と出会った本州産は、全て、食性転換した個体群に入れ替わってしまったのでしょうか?

白井(1996)は本州産の原ホストはオオマルバノホロシと推定していますが、野外でこのホストから見つかったことはないと書いています。

白井洋一,1996. 野生植物と栽培植物を寄主とするエピラクナ属テントウの生活史特性に関する研究

https://repository.lib.gifu-u.ac.jp/bitstream/20.500.12099/2251/2/ao0006.pdf(岐阜大学機関リポジトリよりダウンロード20210523)

白井の食性実験では、マルバノホロシが探索の候補に入れられていなかったので、本州産でも改めてマルバノホロシの探索をすれば、自然個体群が見つかるかもしれません。

九州の個体群は、ジャガイモに出会って食性転換をする機会が無く、昔のままの食性を維持しているものと考えられます。

周1で確認された172種について、生態的に依存する環境を見てみますと、周1では、広葉樹林103と1/3、針葉樹林6と2/3、草地22と8/9、裸地4/7、河川19と1/2、湿地9と1/4、耕作地9と4/5と集計されました。

これを総出現数172で割ると、生態要素としては、広葉樹林60.07%、針葉樹林3.88%、草地13.31%、裸地0.34%、河川11.33%、湿地5.37%、耕作地5.71%になります。










地点の中でも、圧倒的に広葉樹林の比率が高かった入3よりさらに、3割ほど高く、針葉樹林も倍ほど、その他の草地、裸地、河川、湿地、耕作地は2割から3割減です。

当然ながら、周1は、出現種から見ても、大部分が樹林環境であると言えます。

依存環境限定種について見ていくと、出現種172種のうちの7割程度、124種でした。
そこから算出した比率は、77.02%、4.84%、9.27%、0.00%、5.24%、0.40%、3.23%となりました。
つまり、8割弱と圧倒的に広葉樹林が高く、草地が1割弱の他、針葉樹林と河川、耕作地の要素がごく少しということになりそうです。

それでは、依存環境限定種で同様に計算して年度ごとの比率を出してみましょう。

2009年度は75.83%、6.67%、10.00%、0.00%、3.33%、0.00%、4.17%
2010年度は82.14%、0.00%、12.50%、0.00%、5.36%、0.00%、0.00%
2011年度は73.40%、6.38%、7.45%、0.00%、7.45%、1.06%、4.26%
2012年度は80.56%、1.39%、8.33%、0.00%、5.56%、0.00%、4.17%
















他の地点同様、トラップをしなかった2010年と2012年が多少変則的ですが、依存環境限定種を見る限り、2009年から20012年まで余り年度変化は無いように思います。

ただ、現在の写真で解りますように、その後、調査地の下流側1/3程度は水没しています。
このことが地点全体にどのような影響を及ぼしているかは、良く解りません。

元々、草地、裸地、河川、湿地、耕作地の要素はごく少なかったし、広葉樹林と針葉樹林の環境にはそれほど変化は無いと思われるので、あるいは、殆ど変化はないかもしれません。

8. 周2 (佐賀市富士町大字関屋、標高390m)

嘉瀬川ダムの左岸、ダム本体から東北に1.3kmほどの林道沿いの地点で、ダム湖の水面より100mほど上がっています。調査はほとんど広葉樹二次林(混アカマツ)の林道沿いで行いました。

周1の地点への道路が水没して調査できない可能性があったので、その補足地として、2011年から調査しました。結果的に、周1でも2012年まで調査が出来たことは先に述べたとおりです。

ダムから離れて、標高も稼いでおり、現在もほとんど環境の変化はありません。

(周2のダム建設前と現在の写真: 赤円内が概略調査範囲)











































周2では任意採集として、2011年5月7日、8月29日、10月24日、2012年5月24日、8月25日、10月31日の6回です。ライトトラップとピットフォールトラップを2011年5月4-5日に実施しています。

(2011年10月: 林道沿い)


















(2012年8月: 林道沿い)


















(2012年10月: 林内)


















周2では2年間の調査で192種が確認できました。年度ごとでは、2011年(121種)、2012年(106種)でした。2年で他の地点の4年分に匹敵する種数が得られていることから考えると、全ての地点の中でこの地点が実は最も多様性が高いと推定されます。

ダム周辺で最も広葉樹二次林が発達した場所を探して地点として採用したので、当然の結果と言えます。

このうち、以下の10種は佐賀県から記録の無い種で、佐賀県初記録になります。

アシマダラカワベメダカハネカクシ、コクロメダカハネカクシ、チャイロチビマルハナノミ、ウスチャチビマルハナノミ、ヒメアサギナガタマムシ、ヒシベニボタル、ウエダニンフジョウカイ、ヒコサンヨツコブゴミムシダマシ、キアシツブノミハムシ、ウシズラヒゲナガゾウムシ。

(コクロメダカハネカクシ)
















湿地周りの葉上などにいます。

(ウスチャチビマルハナノミ)
















山地の湿地や渓流で幼虫が成育する種です。

(ヒメアサギナガタマムシ)
















アサギナガタマムシに似ていますが、前胸側縁の形等違います。クヌギ林で見つかる種です。

(ヒシベニボタル)
















目も覚めるような朱色の種です。各地で見つかっていますが、余り多くありません。

(ヒコサンヨツコブゴミムシダマシ)
















茶色でやや細長いヨツコブゴミムシダマシです。山地性でやや少ないです。

(ウシズラヒゲナガゾウムシ)
















幼虫はエゴノキの実に入ります。♂の頭部を前から見ると角を生やした牛の様に見えるのでこの名前があります。

また、以下の41種は、脊振山系から記録が無く、脊振山系初記録になります。

キボシアオゴミムシ、アオアトキリゴミムシ、スジヒラタガムシ、アカバツヤクビナガハネカクシ、アカバヒメホソハネカクシ、サビハネカクシ、オオヒメキノコハネカクシ、クロヒメキノコハネカクシ、シロテンハナムグリ、クリイロヒゲナガハナノミ、ヘリムネマメコメツキ、ニセミツモンセマルヒラタムシ、ハバビロムクゲキスイ、ナミアカヒメハナノミ、チャイロヒメハナノミ、セグロクロヒメハナノミ、アワヒメハナノミ、アオカミキリモドキ、ツバキコブハムシ、ムシクソハムシ、ムネアカキバネサルハムシ、コガタルリハムシ、ブチヒゲケブカハムシ、サシゲトビハムシ、クロボシトビハムシ、セマルトビハムシ、クビボソトビハムシ、トホシニセマルトビハムシ、ヒメアオタマノミハムシ、マダラヒゲナガゾウムシ、ハイイロチョッキリ、ヒレルホソクチゾウムシ、オオクチブトゾウムシ、ウスモンノミゾウムシ、アオバネサルゾウムシ、マツアナアキゾウムシ、マダラアシゾウムシ、マツノシラホシゾウムシ、アカネニセクチブトキクイゾウムシ、ミカドキクイムシ。

(ニセミツモンセマルヒラタムシ)
















ミツモンセマルヒラタムシ同様枯れ草にいます。

(ハバビロムクゲキスイ)
















本種は、平野(2010)により紹介された未記載種で、本州と奄美大島から知られていました。その後各地で見つかっており、佐賀県でも国見山(西田, 2021)の記録があります。

平野幸彦(2010)日本産ヒラタムシ上科図説 第2巻 ホソヒラタムシ科・キスイモドキ科・ムクゲキスイムシ科. 61pp. 昆虫文献 六本脚.

西田光康, 2021. 国見山栗の木峠付近で得た甲虫類. 佐賀の昆虫, (56/57): 300-313.

(トホシニセマルトビハムシ)
















マメヅタやヒメノキシノブなど樹幹の着生シダを食べるハムシです。以前は珍しい種と思われていましたが、ホストが解って、各地で見つかるようになりました。かなり湿気の多い森林にいます。

(マダラヒゲナガゾウムシ)
















北海道から九州まで分布しますが、余り見かけません。県内では多良山系の記録があります。

また、以下の32種は周2のみで確認されました。既に脊振山系からは記録されています。

ベーツホソアトキリゴミムシ、ヒトツメアトキリゴミムシ、ホソクロマメゲンゴロウ、ウスイロヒメタマキノコムシ、クチボソオチバアリヅカムシ、ヘリアカデオキノコムシ、アカマダラセンチコガネ、フトカドエンマコガネ、アオグロナガタマムシ、ムナビロサビキコリ、オオナガコメツキ、ムネアカテングベニボタル、イシハラジョウカイ、クロモンカクケシキスイ、クロツヤテントウ、ヨツボシヒメナガクチキムシ、アヤモンヒメナガクチキムシ、ミツノゴミムシダマシ、ヤツボシハナカミキリ本州以南亜種、ミヤマケシカミキリ、ヨツキボシカミキリ、ムナゲクロサルハムシ、カサハラハムシ、クロオビカサハラハムシ、ヒゲナガオトシブミ、マダラケブカチョッキリ、コゲチャホソクチゾウムシ、クリイロクチブトゾウムシ、ガロアノミゾウムシ、ムネスジノミゾウムシ、ムモンチビシギゾウムシ、ウスモンカレキゾウムシ。

(ヒトツメアトキリゴミムシ)
















(ミヤマケシカミキリ)
















以上2種とも、普通はもっと標高の高い場所で見つかります。

(ホソクロマメゲンゴロウ、右: ♂交尾器)















林内に水がしみ出している狭い湿地があり、上記、アシマダラカワベメダカハネカクシ、コクロメダカハネカクシ、スジヒラタガムシなどが見られました。
本種は佐賀・長崎では低山地の湿地や水溜まりで見られますが、近似のクロマメゲンゴロウやコクロマメゲンゴロウは見つかっていません。

なお、昨年、ヒラセクモゾウムシ群が整理されて4新種が記載されましたが、当地の至近距離にあるHokuzan(北山ダム周辺と思われます)からそのうちの3種、モリモトヒラセクモゾウムシ、シロスジヒラセクモゾウムシ、キオビヒラセクモゾウムシが記録されました。

Hirano, H., Yoshitake, H. & Y. Fujisawa, 2020. A Taxonomic revision of Coryssomerine weevils of the genus Metialma Pascoe from Japan (Coleoptera, Curculionidae, Conoderinae). Elytra, Tokyo, New Series, 10(1): 29-57.

周2で採集した、従来の同定でヒラセクモゾウムシと思っていた種をこの文献を元に再同定したところ、シロスジヒラセクモゾウムシでした。

(シロスジヒラセクモゾウムシ、種の特徴である上翅合わせ目の羽毛状鱗毛、口吻上の5本の隆起線)















城戸さんのご教示によると、福岡県では本種は普通に見られるそうです。上記文献と福岡県の分布についてご教示いただいた城戸さんに深謝します。

周2で確認された192種について、生態的に依存する環境を見てみますと、周2では、広葉樹林122、針葉樹林7、草地23、裸地4/7、河川18と1/2、湿地12と3/7、耕作地8と3/5と集計されました。

これを総出現数192で割ると、生態要素としては、広葉樹林63.51%、針葉樹林3.65%、草地11.94%、裸地0.30%、河川9.64%、湿地6.48%、耕作地4.48%になります。










合わせたかのようにほぼ周1と同様の比率になりました。

さて、年度変化を依存環境限定種で見てみましょう。

依存環境限定種は周2では143種で全体の7割5分にもなり、生態要素としては、78.32%、4.20%、7.69%、0.00%、4.20%、3.50%、2.10%です。

周1とほぼ同様ですが、明らかに湿地の比率が高いことが解ります。

2011年度は75.84%、4.49%、8.43%、0.00%、3.37%、4.49%、3.37%
2012年度は78.95%、2.63%、7.89%、0.00%、5.26%、1.97%、3.29%
















トラップを実施した2011年度と、実施していない2012年度で、針葉樹林、河川、湿地の比率が変化していますが、周2ではほとんど環境比率に変化はないと思われます。この地点はほとんどダム建設の影響を受けていないと判断できます。

つづく

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  •  » 嘉瀬川ダムの甲虫調査 4 (imasaka, 2021-5-27 17:28)