今坂正一とE-アシスト - 夏の甑島はライト三昧 4
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昆虫掲示板 : 夏の甑島はライト三昧 4

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imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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夏の甑島はライト三昧 4
夏の甑島はライト三昧の4回目です。

2020年7月20-26日に出かけた久留米昆蟲研究會甑島調査の報告です。
前3回で上甑島の報告をしましたので、今回は中甑島です。

なお、種名の後ろの☆は甑島列島初記録、中甑島では殆どの種が初記録になりますので、中甑島初記録は特に示しておりません。

中甑島の甲虫の既知記録は、オオオサムシ甑島亜種、ミヤマクワガタ、カナブン、カワイヒラアシコメツキ、ルイスクシコメツキ、クロカミキリの6種に過ぎません。

今坂(2019)において、小宮義璋博士が報告された甑島のハムシの記録(小宮, 1968)と、未記録の採集品について、「中甑島と下甑島で採集・記録された}と書いておりますが、中甑島は誤りで、全て、上甑島中甑での採集品でした。

私は、当初、上甑島中甑と中甑島を混同していて、上記6種以外で、中甑島と書いて今坂(2019)で記録したクギヌキヒメジョウカイモドキ、クロヒメハナノミ、フタイロカミキリモドキ、クロフナガタハナノミ、イボタロウヒゲナガゾウムシの6種は、実際は上甑島中甑の誤りでした。この機会に訂正したいと思います。

小宮義璋, 1968. 鹿児島県甑島のハムシ類. 北九州の昆蟲, 14(2): 37-42.

今坂正一, 2019. 甑島列島の甲虫類-1982年の下甑島採集品と既知記録からみた甲虫相-. Satsuma, (162): 1-109.

上甑島中甑と中甑島は、海上4km程度の距離であり、かつ、お互いに直接見える位置にあり、舟が交通手段の中心にあった時代に於いては、同一の地域共同体と見なされていたのかもしれません。

(上甑島中甑と中甑島の位置関係)






















中甑島では、採った物がほぼ全て初記録になるわけで、その意味で大変魅力的です。


[中甑島 2020年7月21日-23日 細谷・國分・今坂]

<7月21日>

○浮墨山 76種(甑島列島初記録8種) 7月21日から23日

甑島2日目の朝、上甑島の地理は大抵掴めた物と思えたので、次に、細谷さんを中甑島に誘いました。
実際には、それまで私も國分さんも、中甑島は小さい島であるし、それほど虫も期待できまいと考えて、採集に出かけていませんでした。それでも、甑島列島を隈無く調査する意味で、出かけてみようと思ったわけです。

宿の有る中甑は上甑島の南端で、その南に、中島、中甑島と橋で繋がっています。
2020年の7月21日の時点では、下甑島はまだ繋がっていませんでしたが、8月29日に中甑島と下甑島が甑大橋で繋がり、上甑島から下甑島まで、陸続きと言うことになりました。

上甑島から、甑大明神橋を渡り中島へ、さらに、鹿の子大橋を渡り中甑島に着きます。
すぐに、かのこふれあい公園が右側にあり、右側の斜面は一面草原です。

(中甑島の草原)



















離島にこんな広い草原があるとは意外でした。
後で、甑島の歴史などを郷土史の本などで調べてみると、ここは、自生していたカノコユリを大々的に栽培し、明治以降-1970年代まで花や球根が輸出されていたそうです。そのため、人為的に栽培のための草原(畑)が維持されたものと思われます。

(甑島のカノコユリ)




















ふるさと元気風ネット より引用
http://www.osumi.or.jp/sakata/furusatokaze/tanbou2/kosikikanoko.htm

さっそく、草地物の虫を採りたいと思って、斜面を登る道に入ります。二曲がりほど登ると、左に分岐します。地図で見るとこの道は、延々と尾根まで上がり、帽子山の脇を通り、木の口山横の展望所まで続いています。

(浮墨山)























左折せずにそのまま進むとすぐに舗装が終わり、広くなった場所に駐車します。その先は元は林道だったようですが、廃道になり、叢になっています。
地図で見ると、その左手5-600m先に浮墨山(標高272m)のピークがあります。

國分さんは廃道を奥へ入って行かれました。

(廃道を入って行く國分さん)

















ここで、アオスジアゲハ、アゲハ、キアゲハ、モンキアゲハ、ヤマトシジミ、イシガケチョウを目撃され、キタキチョウ、ルリシジミと、クズノチビタマムシ、リュウキュウナガヒメテントウ☆、フタモンクロテントウ、アトモンチビカミキリ、ツヤキバネサルハムシ、キイロクワハムシ、ウスグロチビカミナリハムシ、ワタミヒゲナガゾウムシ、コフキゾウムシを採られています。

(リュウキュウナガヒメテントウ)
















本種は、奄美以南の琉球に分布しており、いきなり、エッエッ、と言う感じです。
こんな所まで北上しているなんて・・・。

細谷さんは道沿いでアカケシガムシ、ニッポンモモブトコバネカミキリ、ヨツスジトラカミキリ、シリアカマメゾウムシ、アオバネサルハムシ、クロウリハムシを採られていました。

私はオサムシ狙いで廃道にベイトトラップを設置し、林縁にライトFITを吊るしてから、林縁の草地を叩いてみます。

2-3度叩いた途端、チビアオゾウムシ☆が落ちてきました。この種は、結構ちゃんとした草原でないと見られない種です。

(チビアオゾウムシ)
















林縁沿いに斜面を登っていくと、紫色の花が咲いています。他に虫の来そうな花はないので、掬ってみます。

(林縁に咲いていた薄紫の花 白地矢印)


















この花には、ニッポンモモブトコバネカミキリ♀が来ていましたが、追加は有りませんでした。

(ニッポンモモブトコバネカミキリ♀)















大汗をかいて、鞍部まで登ると、良い風が吹いて、汗が引いていきます。
遠くまで、良い眺めです。

(鞍部からの眺め)

















この場所ではネムノキナガタマムシ、クズノチビタマムシ、ヒロオビジョウカイモドキ、マルガタカクケシキスイ、ウスグロヒメコメツキモドキ☆、アミダテントウ、セスジヒメテントウ、クロヘリヒメテントウ、カワムラヒメテントウ、コクロヒメテントウ、フタモンクロテントウ、モンクチビルテントウ、シロジュウシホシテントウ、ナナホシテントウ、

ミツヒダアリモドキ、ヤマトニセクビボソムシ、クビカクシゴミムシダマシ、ルリスジキマワリモドキ、アトモンチビカミキリ、シロスジドウボソカミキリ、キボシツツハムシ、カシワツツハムシ、アオバネサルハムシ、ツヤキバネサルハムシ、マルキバネサルハムシ☆、クビアカトビハムシ、イトヒゲナガゾウムシ、ブドウハマキチョッキリ、チビヒョウタンゾウムシ、コフキゾウムシ、ヒサゴクチカクシゾウムシ、アカネニセクチブトキクイゾウムシが採れましたが、期待した草原物は追加できませんでした。

(ウスグロヒメコメツキモドキ)
















本種は、アカアシヒメコメツキモドキに良く似ていますが、上翅の青色光沢はかなり微弱です。アカアシの触角球悍部が4節なのに対して、本種は5節で区別できます。本種は九州のみに分布することになっていますが、かなり稀とみえて、長崎・福岡県下で、1度ずつ採集したことがある程度、屋久島産も見たことがあります。

(クビカクシゴミムシダマシ)
















今坂ほか(2020)において、上甑島産の本種はアマミクビカクシゴミムシダマシに似ていると書きました。そして、下甑島産は、上甑島産と九州本土(島原)産の中間程度と言うことも。今回の中甑島産は、上翅の肩が張り、間室がやや高まることから、むしろ、島原産に似ています。島ごとに少しずつ形が違うのは、島ごとに由来(出発地)が違うのかもしれません。

今坂正一・國分謙一・伊藤玲央・有馬浩一, 2020. 甑島採集紀行2019年夏. KORASANA, (93): 43-108.

また、カネタタキ☆やツユムシ☆など、甑島初記録となるバッタ類も見つかりました。

暑いので、車に戻ってお茶を飲み、國分さん、細谷さんに声を掛けて、次の場所に移動しました。そして、さらに昼前、戻りがけにも、かのこふれあい公園の少し上あたりの草地で叩いてみました。

その際には、車を停めた裸地でコハンミョウを見つけ、タラノキの生木に着いていたセンノカミキリを採り、ヨモギからヨモギハムシ、ヨモギトビハムシ、イノコヅチからマダラヒメゾウムシ☆、タデの仲間からタデノクチブトサルゾウムシ☆を採集しました。それらの草が、沢状に多少抉れて、湿気た場所に生えていたようです。

(マダラヒメゾウムシ)
















(タデノクチブトサルゾウムシ)
















翌22日、トラップの回収を兼ねて、再度、この場所を訪れ、林縁と草地を叩いたりスウィーピングをしました。

(草原の上部)

















國分さんは、ナガサキアゲハ(目撃)、エムモンチビヒメハナムシ、キイロタマノミハムシを追加され、

私は、ワモンサビカミキリ、ヤマイモハムシ、キイロクビナガハムシ、ムネアカキバネサルハムシ☆、ウリハムシモドキ、ヌルデケシツブチョッキリを追加しました。

(ムネアカキバネサルハムシ)
















先に、マルキバネサルハムシの項で述べたように、この夏の調査前まで、どこで採ってもツヤキバネサルハムシでした。この草地には、本土同様、3種が同時に見られます。

ライトFITは風の影響で成績が悪く、ニセユミセミゾハネカク、マルガタビロウドコガネ、アオドウガネ、ヒメホソキコメツキが入っていただけ。

さらに、ベイトトラップには思惑通りオオオサムシ2♂4♀と、アトボシアオゴミムシ、オオホソクビゴミムシ、アカマダラケシキスイが入っていました。

(オオオサムシ♂交尾器、♂、♀)
















中甑島産は、上甑島産と共に、オオオサムシ上甑島亜種 Carabus dehaanii koshikicola Imura et Mizusawaとされています。
不思議なことに、下甑島では本種は見つかっておらず、代わりにヒメオサムシ下甑島亜種 Carabus japonicus onodai Imura et Dejima et Mizusawaのみが知られています。そして、中甑島と上甑島では、ヒメオサムシは見つかっていません。

比較的近い五島列島では、各島に両種とも共存しています。一体、これはどういうことでしょうか?

因みに、丁度、この甑島調査を行っている同時期に、和田さんが、五島でオサムシ採集をされていました。電話の連絡では、♂より♀が多いものの、各島でかなりの数の両種を採集されていました。

しかし、私の方は、上甑島ではゼロ、中甑島では上記のみ、下甑島ではヒメオサを2♀採集しただけです。
五島とは違って、どう考えても、甑島ではこの時期、この2種の発生期はほぼ終了していたと考えられます。

同じように対馬海流の影響を受ける、たかだか100kmほどしか離れていない島同士で、どうしてこんな差があるのか、良く解りません。

浮墨山には、細谷さんもライトFITを設置されていたようで、23日に回収され、アカヒメヒョウタンゴミムシ☆、チャイロコミズギワゴミムシ☆、キボシマメゴモクムシ、オオホソクビゴミムシ、シロオビチビサビキコリ、クリイロアシブトコメツキ、オオナガコメツキ、チャイロコメツキ、クシコメツキ、デメヒラタケシキスイ、マルガタキスイ、ヒメオビオオキノコ、ウスチャケシマキムシを採集されていました。

浮墨山の採集後、最初に述べた分岐を左折し、斜面をつづら折れに登っていきます。
尾根まで上がると、地元の人が大勢で道横の草刈りをされていました。集落の手隙の人総掛かりでやられている感じです。

この道は、中甑島の尾根部をグルッと周遊し、最終的に、下甑島とに架かる甑大橋を見下ろせる木の口展望所へ通じる道とあって、橋が開通する直前のこの時期、観光客の通行を期待して、草刈りを敢行されたものと想像します。

○帽子山 40種(甑島列島初記録10種) 7月21日























尾根部をしばらく走り、西海岸が見える峠のあたりは、周囲にはススキ原が優先します。それから下りに向かい、角を曲がると、正面に木の口山が見え、左手奥に帽子山が位置しています。
このあたりからやや発達した照葉樹林が出現し、木の口展望所まで良い林が続きます。

細谷さんは、この峠寄りのあたりで、木の口山が正面に見える位置(標高240m)で灯火採集をされたようです。

驚くべき事に、この採集品には、ススキやヨシ、カヤ等の葉鞘に潜み、これらのイネ科に依存するコバネナガカメムシなどを捕食する、ナガサキクビナガゴミムシ☆、クロモンヒラナガゴミムシ☆、ヒロアオヘリホソゴミムシ☆が含まれていました。本土では比較的大きな草原か、大河川のヨシ原で見られる種なので、なぜ、こんな尾根沿いで?という気がしました。勿論、3種共に甑島初記録です。

(ナガサキクビナガゴミムシ)
















(クロモンヒラナガゴミムシ)
















(ヒロアオヘリホソゴミムシ)
















(訂正:当初、アオヘリホソゴミムシと表示しましたが、写真を見られた森田さんから、ヒロアオヘリホソゴミムシ Drypta lineola virgata Chaudoir ト(中,宝),奄,沖縄,宮,多良,石,西,与那,南大東ではないかと、ご指摘がありました。ご教示いただいた森田さんに心よりお礼申し上げます。改めて調べ直したところ、確かにそのようです。こんな事が多いので、甑島は油断がなりません。本種は九州本土の記録は無く、中甑島は北限記録になるようです。)

さらに、山地尾根部での採集にもかかわらず、アカヒメヒョウタンゴミムシ☆、キベリゴモクムシ、オオキベリアオゴミムシ☆などの湿地性のゴミムシも得られていました。

近くに湿地や溜め池があるとも思われないので不思議です。

(オオキベリアオゴミムシ)
















他に草地から樹林に掛けてみられるエゾカタビロオサムシ、オオオサムシ上甑島亜種、クロモリヒラタゴミムシ、オオアオモリヒラタゴミムシ、クビアカモリヒラタゴミムシ、ムナビロアトボシアオゴミムシ、ヒラタアトキリゴミムシ、アオヘリアトキリゴミムシ、クロヘリアトキリゴミムシ、クロシデムシ、オオモモブトシデムシ、ムナビロサビキコリ、フタモンウバタマコメツキ、クシコメツキ、ムナグロナガカッコウムシ、ズグロカミキリモドキ、

ヒゲブトゴミムシダマシ、コスナゴミムシダマシ、ヘリアカゴミムシダマシ、モトヨツコブゴミムシダマシ、ルリスジキマワリモドキ、ウスバカミキリ、クロカミキリ、アオスジカミキリ、キマダラカミキリ☆、ヨコヤマヒメカミキリ、ゴマダラカミキリ、フタモンツツヒゲナガゾウムシ、シロアナアキゾウムシ、ホソクチカクシゾウムシ☆、アシナガオニゾウムシ☆、コマツノシラホシゾウムシ☆、サクラノキクイムシ☆、ツヅミキクイムシなどが採れていました。

(キマダラカミキリ)
















(アシナガオニゾウムシ)
















(コマツノシラホシゾウムシ、左は後腿節)
















(サクラノキクイムシ)
















採集された40種のうち、10種が甑島初記録で、かなり良い場所と思われます。

○木の口展望所 113種(甑島列島初記録11種) 7月21日から23日























樹林を抜けると駐車場のある広場で、ここが木の口展望所のようです。
眺めが非常に良く甑大橋が一望できます。

(木の口展望所から甑大橋を望む)
















展望所には四阿や、望遠鏡などもあり、周囲にクヌギ林と草地が広がっていました。

(木の口展望所)
















國分さんとしばらくこの周辺を採集してみました。

國分さんは、アオスジアゲハ、アゲハ、モンキアゲハ、キタキチョウを目撃され、迷チョウのウスキシロチョウも発見してネットを振られましたが、残念ながら、すり抜けて逃げてしまいました。

甑島調査での初迷チョウだったのですが、残念です。

ルリシジミ、ヤマトシジミ、テングチョウはネットインされ、私もツマグロヒョウモンは採りました。また、クヌギの梢には、次々にゴマダラチョウが飛来してきましたが、樹液が出ていたようです。ヒメハルセミの声も聞かれたそうで、コヒゲナガハナノミ、フタオビミドリトラカミキリ、キボシツツハムシ、ヨツモンカメノコハムシを採集されていました。

私はクヌギの葉を叩いて、ホシハネビロアトキリゴミムシ、ヒラタアトキリゴミムシ、サビキコリ、チャイロコメツキ、ツツガタシバンムシ、オオホコリタケシバンムシ、ムナグロナガカッコウムシ、ヒロオビジョウカイモドキ、アミダテントウ、フタモンクロテントウ、ヨコヤマヒメカミキリ、カシワツツハムシ、カサハラハムシ、タノオアラゲサルハムシ、トゲアシゾウムシ、カシワクチブトゾウムシ、ガロアノミゾウムシなどを落としました。

また、林縁からは、コクロヒメテントウ、ニジュウヤホシテントウ、ヒサゴホソカタムシ、ナミアカヒメハナノミ、クロオビトゲムネカミキリ、ヨモギハムシ、クビアカトビハムシ、クロケシツブチョッキリ、ヒナカマキリ、マダラゴキブリ☆、クサキリ☆なども見つかりました。

木の口展望所周辺は、今回の甑島で最も見たチョウの数が多く、虫影が濃いように感じたので、翌22日はこの樹林沿いにライトFITを設置し、夕方戻ってきて、ここで灯火採集をすることにしました。

前日同様、件のクヌギにはやはり樹液が出ていて、ゴマダラチョウと共に、この日は、シロテンハナムグリとカナブンが次々に飛来してきました。
ネットインしてみると、なぜか、ここのシロテンハナムグリは緑色タイプが多いように感じました。

國分さんは、アサギマダラ、クロセセリを追加し、ニイニイゼミの声も聞かれたそうです。

さらにヨツボシケシキスイ、ルリスジキマワリモドキ、ウスアヤカミキリ、アトモンチビカミキリ、アトボシハムシ、エノキハムシ☆、キイロタマノミハムシ、クチブトノミゾウムシ、ケシクチカクシゾウムシ、シイノコキクイムシ☆を追加されていました。

(エノキハムシ)
















私はこの日、一瞬ですが、確かにミンミンゼミの声を聞きました。
さらに、フタモンウバタマコメツキ、クシコメツキ、オオキバチビヒラタムシ、ハスモンムクゲキスイ、オオフタホシテントウ、ヨツスジトラカミキリ、イトヒゲナガゾウムシを追加しました。

(フウトウカズラの横に吊したライトFIT)
















ライトFITを吊した際、近くのフウトウカズラに食痕があることを確認したので、確実にいると思って叩くと、ヘリグロセダカトビハムシが1個体だけ落ちてきました。中甑島にもいることは確認しましたが、それ以上追加は出来ませんでした。

(ヘリグロセダカトビハムシ)
















夕闇が迫り、甑大橋を経て、下甑島の尾岳方面まで、遠くまで良く見えますが、風が強く、灯火採集には多少心配です。

(夕闇迫る甑大橋)
















この日の灯火は、雨が降っても大丈夫な四阿の中に張ることにしました。

(四阿の中に張ったスクリーン)


















暗くなると共に、ポツポツ、コクワガタ屋久島亜種、セスジカクマグソコガネ、ヒメセスジカクマグソコガネ、オオコフキコガネ、カブトムシなどが来ました。

(コクワガタ屋久島亜種)
















アイヌコブスジコガネが来たのを確認したときは、自身の目を疑いました。

(アイヌコブスジコガネ)
















この展望所の標高は230mありますが、海が見えるような低山で本種が採れたのは経験していません。ましてや、こんな小島に生息しているとは、思いもよりませんでした。

他に、アカヒメヒョウタンゴミムシ☆、ヨツモンコミズギワゴミムシ、メダカアトキリゴミムシ、アオヘリアトキリゴミムシ、クロシデムシ、カクコガシラハネカクシ、オオクシヒゲコメツキ、ケモンセスジシバンムシ☆、イガラシカッコウムシ、ズグロカミキリモドキ、ヒゲブトゴミムシダマシ、コスナゴミムシダマシ、キマダラカミキリ☆、タイワンメダカカミキリ、ワモンサビカミキリ、フタモンツツヒゲナガゾウムシ、ハイイロトゲトゲゾウムシ等が飛来しました。

この日は、当初から、スズメガの飛来が多かったのですが、遠くまで見渡せる位置に有るせいか、ぞくぞく飛来し、そのうちにスクリーン中この蛾が飛び回り羽ばたき、すごいことになり、いくらか駆除しながら採集を続けていたものの、余りの多さに閉口して、早めに終了しました。あるいは、のべ200頭を越えていたかもしれません。

(木の口展望所のライトFIT)

















翌23日に回収したライトFITに入っていた物は、大部分、前夜のスクリーンに来た物と同様で、追加したのは、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタ、ヤエヤマニセツツマグソコガネ、ヒメカンショコガネ、オオカンショコガネ、カミヤビロウドコガネ、マルガタビロウドコガネ、サンカクスジコガネ、ウスバカミキリ、ノコギリカミキリ、クワカミキリなどです。

細谷さんのライトFITもほぼ同様でした。

クワガタ類とコガネ類が中心で、こうしてみると、クワガタ類は夜遅い時間に灯火を訪れているように思えます。

その他、クリイロヒゲハナノミ、サツマホソゴミムシダマシ、ヒラタコメツキモドキ☆、アラハダクチカクシゾウムシ☆、マツノカバイロキクイムシ☆も採れていて、後3種は甑島初記録です。

(クリイロヒゲハナノミ)
















(サツマホソゴミムシダマシ)
















本種は国内からは最近記録された種で、今のところ九州南部、下甑島、種子島の分布が知られているだけです。国外では台湾とタイの記録があります。頭と翅端に長い毛があることで、近似のアメイロホソゴミムシダマシ、アマミホソゴミムシダマシなどから区別できます。

(ヒラタコメツキモドキ)
















(アラハダクチカクシゾウムシ)
















それから、ライトFITには見慣れないゴキブリも入っていて、何だろうと思ったのですが、調べてみたらヒメマルゴキブリで、この種は佐多岬以南の琉球列島に分布しているので、中甑島は北限記録になるようです。ゴキブリでも、こんなのもいるんですね。

(ヒメマルゴキブリ)
















○帽子山展望所 19種(甑島列島初記録1種) 7月21日から23日























木の口展望所から中甑島東岸にある唯一の集落、平良へ降りていくと、集落を見下ろせる場所に帽子山展望所(標高155m)があります。

細谷さんはこの周辺にライトFITとバナナトラップを設置されたようです。

細谷さんは23日にトラップ類の回収をされており、バナナトラップでは、リュウキュウダエンチビドロムシ、オオクシヒゲコメツキ、オオナガコメツキを採られています。

また、ライトFITでは、カラカネゴモクムシ、ミドリマメゴモクムシ、イツホシマメゴモクムシ、キボシマメゴモクムシ、オオクシヒゲコメツキ、オオナガコメツキ、チャイロコメツキ、クロハナボタル下甑島亜種、ナミアカヒメハナノミ、ミツヒダアリモドキ、シロスジドウボソカミキリ、キボシツツハムシ、キイロクワハムシ、シイノコキクイムシ☆が採れています。

(シイノコキクイムシ)
















本種はハンノキキクイムシにソックリですが、二回りほど小さくて、上翅の後端斜面部に毛の列があり、区別できます。

中甑島では、結局187種の甲虫が得られ、草原ものを中心に、思いがけなく多くの種が見つかりました。標高も250m近くまでは車道が通っており、200m足らずの上甑島より高いところでの採集が可能です。今後も、中甑島の探索は欠かせないと感じました。

中甑島での採集はこれで終わりなので、次回は、下甑島での様子を紹介します。

つづく