今坂正一とE-アシスト - KORASANA 95号が12月25日に発行されました
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投稿者 トピック
imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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KORASANA 95号が12月25日に発行されました
久留米昆蟲研究會より会誌 KORASANA 95号が12月25日に発行されました。

国中がコロナ禍で自由に外出できず、虫屋さんとしても、海外を始め、国内でも採集に自由に行けない中、自宅で過去採集品の標本作りや、懸案の研究、原稿書きなどに費やす方が多かったようです。

95号の原稿の締め切りは、本来、11月末だったのですが、夏頃から原稿が続々と集まりだしたこともあり、今回は前倒しして、年内に発行しようと言うことになりました。

事務局では希望される方にそのKORASANA 95号を3000円で頒布しておりますので、その内容について紹介したいと思います。

KORASANA 95号をご希望の方は、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込まれるか、あるいは直接、事務局 國分謙一 kokubu1951@outlook.jp
までお申し込みください。

KORASANA № 95. 2020 目 次

報文

溝部 忠志 [ 八女市でウラキンシジミを採集 ]・・・・・・・・・・・・1
長田 庸平 [ 北海道におけるチョウ類の採集・撮影記録 ]・・・・・・・9
長田 庸平 [ 大阪市立自然史博物館所蔵の福岡県産の
タイワンツバメシジミとオオウラギンヒョウモンの標本 ]・・・・・・・13
勝間 信之 [ 大分県日田市天瀬町で採集したトビケラ目成虫の記録
Records of adult Caddisflies collected from Amagase-machi, Hita-shi, Oita Prefecture ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
上森 教慈・西谷 光平
[ 福岡県におけるエサキコンボウハナバチの追加記録 ] ・・・・・・・18
上森 教慈 [ 福岡県苅田町におけるクズハキリバチの記録 ] ・・・・・19
上森 教慈 [ 福岡県篠栗町におけるフチグロトゲエダシャクの観察記録 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
大對 桂一・野崎 達也・上森 教慈・村尾 竜起
[ 釈迦岳における有剣ハチ類の記録 ] ・・・・・・・・・・・・・・・21
森田 誠司 [ カワラゴミムシの熊本県の記録 ] ・・・・・・・・・・・35
橋爪 拓斗 [ 福岡県におけるオオヒョウタンキマワリの記録 ] ・・・・38
城戸 克弥 [ 福岡県のベニボタル・ホタル・ホタルモドキ科 ] ・・・・39
城戸 克弥 [ 福岡県のクシヒゲムシ・ホソクシヒゲムシ・ナガハナノミダマシ科 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
城戸 克弥 [ 福岡県のマキムシモドキ上科 ] ・・・・・・・・・・・・59
城戸 克弥 [ 福岡県のナガシンクイムシ上科 ] ・・・・・・・・・・・60
城戸 克弥 [ 福岡県のカッコウムシ上科 ] ・・・・・・・・・・・・・76
城戸 克弥・築島 基樹[ 森田公造氏が採集された福岡県産ゾウムシ類 ] 91
城戸 克弥・和田 潤[ 福岡市近傍で採集した若干のゾウムシ類 ] ・・・97
築島 基樹 [ 熊本県天草市におけるヒョウタンヒメドロムシの採集記録 ]  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100
城戸 克弥 [ 丸山式FIT で得られた筑紫野市大根地山の甲虫類(2) ] ・101
城戸 克弥 [ 筑紫野市大根地山で採集した甲虫類(2) ] ・・・・・・・116
大塚 健之 [ 2019 年に沖縄島で採集した甲虫の記録 ] ・・・・・・・123
江頭 修志 [ 熊渡山の甲虫類(5) ?FIT とFIT 以外で得られた熊渡山の甲虫類? ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・129
小田 正明 [ 熊本県あさぎり町白髪岳で採集した甲虫類(9) ] ・・・・135
小林 修司 [ 秋の東北採集記 ?宮城県、秋田県、山形県をめぐる? ] 141
田畑 郁夫 [ 昆虫採集余話6 補遺3:卑弥呼は八女にいた、そしてヤマトのルーツはヤメツ(八女津)である ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・151

短報

吉美 信一郎[ 2020 年迷蝶の採集・目撃記録 ]・・・・・・・・・・・・2
吉美 信一郎[ アオスジアゲハ異常型の採集記録 ] ・・・・・・・・・・2
伊形 浩信 [ 福岡県におけるウラキンシジミの記録 ]・・・・・・・・・3
伊形 浩信 [ ウラミスジシジミのナラガシワからの採卵例 ]・・・・・・3
伊形 浩信 [ エゾミドリシジミのカシワからの採卵例 ]・・・・・・・・4
伊形 浩信 [ オオミドリシジミのアカガシからの採卵例 ]・・・・・・・4
伊形 浩信 [ キタキチョウのクロウメモドキでの発生の観察例 ]・・・・5
伊形 浩信 [ ヒカゲチョウの南限の記録 ]・・・・・・・・・・・・・・5
伊形 浩信 [ うきは市におけるミスジチョウの記録 ]・・・・・・・・・6
長田 庸平 [ シオカラトンボがジャノメチョウを捕食 ]・・・・・・・・6
長田 庸平 [ 沖縄におけるチョウ類の天敵の記録 ]・・・・・・・・・・7
長田 庸平 [ 石垣島におけるリュウキュウミスジの睡眠の一例 ]・・・・7
長田 庸平 [ 波照間島でオオゴマダラの軽微な異常型を採集 ]・・・・・8
長田 庸平 [ 対馬におけるツヤアオカメムシの追加記録 ] ・・・・・・14
小旗 裕樹 [ 熊本県及び大分県で採集したマキバマグソコガネ ] ・・・33
時津 洋臣・築島 基樹[ 大牟田市で採集したコガネムシ科2 種の記録 ] 33
小旗 裕樹 [ 福岡県で採集したヤノトラカミキリ ] ・・・・・・・・・34
有馬 浩一 [ 広川町におけるマメハンミョウの追加記録 ] ・・・・・・34
森田 誠司 [ アカヒメヒョウタンゴミムシの文献の補足 ] ・・・・・・37
森田 誠司 [ 沖縄本島のホシボシゴミムシの記録 ] ・・・・・・・・・37
今田 舜介 [ クスベニカミキリを九州大学伊都キャンパス(福岡市)で採集 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
今田 舜介 [ 福岡県内のミツギリゾウムシに関する近年の採集例(2) ] 96
城戸 克弥 [ 宗像市城山で採集したメダカハネカクシ3 種 ] ・・・・・99
國分 謙一 [ 2020 年、福岡県久留米市の迷蝶3 種の目撃記録 ] ・・・183
廣川 典範 [ 我が家の蝶塚 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・183

表紙解説
岩間 杏美 「 冬 虫 夏 草 ( とうちゅうかそう ) 」・・・・・・・・184

コラム
梅野 忠 「 登 山 」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・185

(表紙)






























表紙解説:岩間 杏美 ・ 表紙デザイン:築島 基樹

冬 虫 夏 草 ( と う ち ゅ う か そ う )

自己紹介

岩間 杏美(いわま・あみ) 福岡県出身。現在は油山市民の森で仕事をしています。高校生の時から「野生のきのこ」に興味をもちはじめ、菌類学を学びながらきのこの観察記録「観察誌」も描いています。

冬虫夏草について

冬虫夏草とは「冬は虫となりよく動き、夏になれば草となる」との想像から中国で名付けられました。日本国内でも、さまざまな冬虫夏草が生息しており、その数は約400 種類とも言われています。

福岡県内でも約50 種類の冬虫夏草が確認されていますが、まだ未確認のものが複数いると考えられています。冬虫夏草には大きく分けて3 つの生活型があります。

一つ目は地生型(地中に住んでいる昆虫に寄生するきのこ)、二つ目は気
生型(葉の裏や木の枝などにくっついている、生活している昆虫などから)、三つ目は朽木生型(朽木の中にすむ昆虫などから)です。

それぞれの昆虫に住みやすい環境があるように、菌類たちも住んでいる環境にはさまざまな特徴があります。冬虫夏草を探す機会は少ないかもしれませんが、フィールドに出た時にでも探してみてください。

1. ツブノセミタケ Perennicordyceps prolifica
福岡県宮若市. (採集日不明)
2. セミタケ Ophiocordyceps sobolifera※
福岡県太宰府市.
3. ツクツクボウシタケ Isaria cicadae※
福岡県糟屋郡久山町.
4. タイワンアリタケ Ophiocordyceps unilateralis※
山口県山口市.
5. ハヤカワセミタケMetarhizium owariense※
福岡県福岡市.
6. オオセミタケ Cordyceps heteropoda
桂川町. 2020 年4 月6 日
7. カメムシタケ Ophiocordyceps nutans※ 山口県山口市.
8. コナサナギタケ? Cordyceps farinosa ? 山口県山口市. 2018 年7 月17 日
9. ハチタケ Cordyceps sphecocephala※ 山口県山口市.

学名の後ろに※印が付記されたものは 岩間, 2019 で既に報告した種のため採集日は省いた。また、採集者は全て岩間杏美である。
岩間杏美 (2019) 福岡県他の調査記録. 冬虫夏草(日本冬虫夏草の会), (39): 84-86.

今号も、26 人の著者に50 編の玉報を投稿いただきました。特に、城戸さんの各分類群の県産記録のまとめや、田畑さんによる卑弥呼の話は労作と思います。
KORASANA では、会員各位(昆虫の同好者の方々)が書きたい、あるいは、読みたい報告を、制限を設けず募集しています。奮って投稿いただくようお願いします。(編集後記より)

まずは、溝部さんによるウラキンシジミの報告です

(釈迦岳産幼虫から羽化した♀)











吉美さんは、迷蝶2種を記録されています。

ウスキシロチョウ→佐賀市、久留米市、長崎市野母?
ルリウラナミシジミ→長崎市野母崎、小郡市、久留米市、

伊形さんは、福岡県各地8カ所から、ウラキンシジミを記録されています。
シオジとアオダモで幼虫を採られているようです。

ナラガシワからのウラミスジシジミの採卵例、カシワからのエゾミドリシジミ、アカガシからのオオミドリシジミの採卵例も記録されています。

長田さんは、石垣島におけるリュウキュウミスジの睡眠の例として、1画面に4個体が写っている写真を公開されています。

(リュウキュウミスジの睡眠)



















また、北海道各地でのチョウの撮影・採集記録を報告され、キベリタテハ、クジャクチョウ、カラフトセセリなど50種を記録されています。

地元の虫屋としては、氏が勤務されている大阪市立自然史博物館に所蔵されている、ほぼ絶滅したと考えられている福岡県産チョウ2種の画像と採集データを公開していただいたことは大変有意義でした。

タイワンツバメシジミ→久留米市兜山

(タイワンツバメシジミ)










オオウラギンヒョウモン→北九州市平尾台

(オオウラギンヒョウモン)




















勝間さんは、北部九州の記録がほとんど無いトビケラ目について、大分県日田市天瀬町から27 種のトビケラ目成虫を記録されました。

この中には、九州初記録であるチョウセンオトヒメトビケラ、タイリクヒメクダトビケラ、ホウライヒメクダトビケラ、ウラルヒメクダトビケラ、クチバシクダトビケラ、アナトゲクサツミトビケラ、モセリーヒゲナガトビケラ、ハモチクサツミトビケラなど8種、全国的に記録の少ないチョウセンヒゲナガトビケラが含まれています。

(勝間 付図)
















上森さんは、福岡県からエサキコンボウハナバチ、クズハキリバチ、フチグロトゲエダシャクを記録されました。

大對・野崎・上森・村尾の4氏は、共著で釈迦岳から2019年に採集した有剣ハチ類16 科142 種を記録されました。上森ら(2018)及び今坂・村尾(2019)による報告と合わせると、釈迦岳から合計157 種が記録されたことになるそうです。

この中には、九州初記録種として、ヨシブエセイボウ、ワシバナアリガタバチ、マダラアシマエダテバチの3種、九州から記録の少ない種として、オモゴヒメハナバチ、エサキトゲヌキカマバチ、ナミアワフキバチ、アイヌギングチ、ニッコウギングチ、スギハラギングチ、エグレギングチ、アムールギングチ、クビワギングチ、クマモトツチスガリなどが得られているそうです。

(大對ほか 付図)



































小旗さんは、大分・熊本両県からマキバマグソコガネを、福岡県立花山からヤノトラカミキリを記録されました。

(ヤノトラカミキリ)
















森田さんは、3つの報告を投稿していただきましたが、特に、カワラゴミムシの記録は、多重合成された画像と共に興味深いです。

(カワラゴミムシ左は熊本産、右は大陸産で別亜種)



















本種は、九州では大分・熊本両県と五島宇久島で記録されているくらいで、めったに見つからず、私も採集したことがありません。

小判型の特異な体形が興味深く、その生態もほとんど知らないので、是非、九州で探してみたいと思っています。

橋爪さんは、福岡県糸島市からオオヒョウタンキマワリを記録しましたが、これは福岡県初記録であり、本種の東限を更新したことになります。

(オオヒョウタンキマワリの分布範囲)














さて、城戸さんがライフワークとして作成されている福岡県産甲虫の各種群のまとめですが、今回は、ベニボタル・ホタル・ホタルモドキ科、マキムシモドキ上科、ナガシンクイムシ上科、カッコウムシ上科の各科についての記録を纏められました。全52ページ、各科の種数は次の通り。

ベニボタル科    37種
ホタル科      12種
ホタルモドキ科    2種
クシヒゲムシ科    1種
ホソクシヒゲムシ科  1種
ナガハナノミ科    2種
マキムシモドキ科   1種
ヒメトゲムシ科    2種
カツオブシムシ科  16種
ナガシンクイムシ科 12種
ヒョウホンムシ科  35種 (シバンムシを含む)
コクヌスト科     6種
サビカッコウムシ科  2種 (タイワンチビカッコウとモンサビカッコウ)
カッコウムシ科   19種
ジョウカイモドキ科 19種

現在入手可能な文献はほぼ網羅されており、福岡県産甲虫の記録を調べる際には必携と思われます。

また、将来纏められる予定の福岡県産ゾウムシ類のデータも集められており、城戸・築島として、前会長の故・森田公造氏採集のゾウムシ類、同様に、城戸・和田として、和田さん採集のゾウムシ類も報告されました。

さらに、前年から続けられている大根地山の甲虫類の調査報告2編も報告され、FITの採集品367種と、通常の採集品110種を記録されました。

(上:FITの採集品)


































(下:通常の採集品)

2019年は大根地山から915種を記録されていましたが、2020年度に161種を追加して1076種を記録したことになるそうです。標高652mのそれほど発達した林も無い山地に、これほど多様な甲虫相が見られるのは興味深いです。

今田さんは、九州大学伊都キャンパスで採集したクスベニカミキリと、近郊の糟屋郡宇美町産ミツギリゾウムシを報告されています。

両種共に、従来は都市近郊の里山周辺でも見られた種ですが、最近はいずれの地域でも少なくなり、福岡県RDBの対象種になっている種です。

築島さんは、最近新種記載されたばかりのヒョウタンヒメドロムシを天草から記録されました。名前通り、瓢箪型でかなり特異な種で、原産地の大分県、2例目の島根県に次ぐ記録です。

(ヒョウタンヒメドロムシ 付図)










大塚さんは2019年に沖縄本島で採集した甲虫140種余りを記録されました。

(付図)



































江頭さんは調査をずっと続けていらっしゃる熊渡山の甲虫の5回目で、今回は117種追加し、通算で827種を熊渡山から記録したことになるそうです。

(付図)


















小田さんは、熊本県白髪岳の甲虫144種を記録されました。この報告は、城戸さんと一緒に報告されてきたシリーズの9回目で、通算、669種を記録されたことになるそうです。

小林さんは、久しぶりに、採集記を書いていただきました。
今回は、秋の東北採集記として、宮城・秋田・山形県でのユキグニコルリクワガタ、ツヤハダクワガタ、ヒメオオクワガタ、コブヤハズカミキリ類、ゲンゴロウ、メススジゲンゴロウ、オオイチモンジシマゲンゴロウなど、九州ではお目にかからない、あるいは、かかりにくい種が多く含まれています。

行った事の無い場所の採集記はワクワクします。

(付図)


















田畑さんは、卑弥呼シリーズの最終回だそうです。
次から次へと、さらなる論考があふれ出し、今回は、日本書紀からも、重要な発見をされたそうです。

(邪馬壹の新読み)








(漢委奴國王の金印の出土場所の意味)















本文の内容については、私には解説不能なので、実際に会誌を読んでください。

当初書かれていましたが、ここにある地図等は全て、色々なものを参考に細部まで自筆で描かれたものだそうです。

國分さんは、久留米市で確認された迷蝶3種、タテハモドキ、クロマダラソテツシジミ、ヤクシマルリシジミを記録されました。

廣川さんは、國分さんのリクエストに応じて、自宅の庭にお祀りしている蝶塚を紹介いただきました。

(廣川さん宅の蝶塚)



















(11月1日 高良大社境内 昆虫塔前 第60回昆虫慰霊祭)