今坂正一とE-アシスト - 2020年久留米の春
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昆虫掲示板 : 2020年久留米の春

投稿者 トピック
imasaka
管理人
  • 登録日: 2018-1-27
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2020年久留米の春
2月以降のコロナバイオレンスにより、自宅に閉じこもりっきりの方も多いと思います。
私の方は、それ以前、昨年の8月からの長い長い閉じこもり療養で、半年以上に渡って続けてきた治療が3月中旬になってやっと終わり、長い越冬から目覚めた心持ちで、啓蟄を実感したところです。

玄関先に飾った、カミさんの陶芸仲間が作った陶器のおひな様に、手作りで金屏風を作り、出来映えを誇るために写真を撮っていたら、自分まで映り込んでしまいました。

(陶器のお雛様飾り)























庭の片隅の早咲きの桜も満開になり、連日、メジロが蜜を吸いに訪れています。

(庭の桜)























3月20日、やっと春めいてきた屋外に、リハビリを兼ねて出てみようと思いました。

まず訪れたのはベースグランドの高良山です。高良大社直下の茶店の周りも春の息吹が感じられます。

(高良大社直下の茶店)

















展望所から久留米の街を眺めると、筑後川と脊振山を背景に、ぼんやりと霞んで見えます。
今年も間違いなく春は訪れているようです。

(高良山の展望所からの眺め)

















尾根沿いに漱石の歌碑のあたりまで来ると、菜の花がかたまって咲いていました。ここに、イエローパンFITトラップを置いてから、周囲をスウィーピングします。

(高良山の漱石の歌碑付近)

















今年最初の採集品がこちら。

(採集品)



















左上から、ツブノミハムシ、ツバキヒラタケシキスイ、2列目、クロノコムネキスイ、ムネアカチビケシキスイ、アカバツヤクビナガハネカクシ、ハラグロハナムグリハネカクシと、同定不能のヒゲブトハネカクシの一種です。

いつもの年と同じく、春一番の虫達です。

次いで、少し上がった耳納山のアラハダキイロハナムグリハネカクシのポイントです。
この種を初めて採ったサクラは、まだ蕾でした。

(耳納山のサクラ)

















それでも、周囲のヒサカキの花を掬い、林縁の雑草をスウィーピングした結果が次の写真。

(耳納山の採集品)

















左上から、アラハダキイロハナムグリハネカクシの♀、♂、2列目が、ホソルリトビハムシ、ヒメマキムシ、ルリデオチョッキリ、ハラグロハナムグリハネカクシ、ドウチビキカワムシ、エノキノミゾウムシ、アカホソアリモドキ、3列目、クロボシトビハムシ、また、アカバツヤクビナガハネカクシ、そして、トゲアシチビケシキスイが2頭に、ヒメドウガネトビハムシです。

このうち、ドウチビキカワムシは久留米市からは初めて見つかりました。

(ドウチビキカワムシ)
















さて、ここからどちらへ行こうか考えて、筑後川の河畔を見に行こうかと思いました。

枡形山の分岐から草野町方面へ降りていきます。

途中、長岩山のサザンカ自生林の所に、サクラが咲いていました。

(長岩山のサザンカ自生林入り口)



















(長岩山のサクラ)
















花を掬うと、ここでもアラハダキイロハナムグリハネカクシの♀(右端)がいました。水縄山地では2カ所目です。とれた甲虫はつぎの写真。

(長岩山の採集品)

















上端のウスチャケシマキムシと、黄褐色のズグロキスイモドキ、その下の、キベリチビケシキスイ以外、ここまでとほぼ同じ顔ぶれです。

この間、高良山の登りがけからずっと、車の上にはカーネットを付けていたのですが、虫はほとんど入って無く、結局次の写真の通りです。

(高良山のカーネット採集品)























中央、下端はキュウシュウハナムグリハネカクシで、それ以外は私では同定不能の、ヒゲブトハネカクシの仲間が3種ほどと、キクイムシの一種、そして、ムクゲキノコムシの一種。

草野町に降りて筑後川の数少ない河川敷の、東合川の駐車場に車を止めます。
河川敷も菜の花が咲き誇っています。

(筑後川の菜の花)

















周囲をスウィーピングして得られたのが次の種。

(筑後川の採集品)





















下列のダイコンサルゾウムシ、ヤナギルリハムシ、ブタクサハムシ、上列中央の、ケナガセマルキスイが他で見られなかった種です。

翌日、21日も快晴で、午後から出かけることにしました。

前日行かなかった高良山南麓の高良川沿いに、谷沿いに詰めてみることにしました。

まず手前の高良幼稚園の背後の草地から。

(高良内の草地)

















ここにも菜の花が群生しており、スウィーピングしてみると、ハナバチや双翅類以外はあまりいません。

谷沿いに奥に入ってみると、ちょっと良さそうな林道に入ります。

(一ノ瀬の奥の林道)

















その先に水害で流れてきた枯れ材を集めた場所がありました。ちょっと良さそうな空間なので、イエローパンFITを置きます。

(積んだ枯れ材のある林縁)

















草地をスウィーピングしてみて得られたのは次の通り。高良幼稚園の背後の分も含まれています。

(高良内の採集品)

















テントウムシ、ヒメカメノコテントウ、イチゴハムシ、エゾヒメゾウムシ、ハヤトニンフジョウカイ、2列目、ハンノキキクイムシ、クロツヤメダカハネカクシ、クロフナガタハナノミ、サメハダツブノミハムシ、ムネアカキバネサルハムシ、そして、下段右端のスイバトビハムシが追加です。

このうち、クロツヤメダカハネカクシは久留米初。

(クロツヤメダカハネカクシ)
















枯れ材の手前の道はぬかるんでおり、イノシシの足跡もあり、ちょっとしたヌタ場になっている模様。

(枯れ材の手前の道、ヌタ場はこの手前)

















ヒコサンセスジゲンゴロウの可能性を考えて、スプレーをしてみましたが、残念ながら、出てきたのはキベリヒラタガムシのみ。ただ、この種も久留米では記録されていません。

(キベリヒラタガムシ)















ちょっとまだ時間があったので、杉谷の処分場の近くへ行ってみました。
ここには菜の花畑と、イチゴの花があり、地表の草も含めてスウィーピングしました。

(杉谷の菜の花)



















ここでも、アラハダキイロハナムグリハネカクシとハラグロハナムグリハネカクシが見られ、アカホソアリモドキ、アカケシガムシ、タケダウスゲガムシ、チビコフキゾウムシ、チャイロヒメハナノミなどを追加しました。

(杉谷の採集品)





















タケダウスゲガムシは微小なケシガムシで、上翅に微毛が生えているのと、前胸腹板突起が太い木の葉型をしているのが特徴です。
各地で得られていますが、九州の分布記録は無く、久留米初です。

(タケダウスゲガムシ)
















以上、今年最初の虫取りの様子をお知らせしました。
2日とも、午後から夕方前までの数時間の採集ですが、それでも、ベースの久留米からまだ採っていない種が、4種も得られました。

久留米周辺からは、私の集計で1593種が見つかっていまして、今回の分を加えると1597種になります。

ところで、今回の標本写真、1種ずつの拡大写真以外は、全てKoolertronのマルチマイクロスコープで撮った画像です。ライトが左右とレンズ周りに付いていて、画面で見ながら動画も撮れて、簡単便利です。1cmから数cmの被写体には使い勝手が良いです。

この機材を紹介して、購入を手伝って頂いた松尾さんに感謝します。