今坂正一とE-アシスト - KORASANA 92号が発行されました
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昆虫掲示板 : KORASANA 92号が発行されました

投稿者 トピック
imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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KORASANA 92号が発行されました
久留米昆蟲研究會より会誌 KORASANA 92号が12月20日に発行されました。

今回も200ページ超えの総頁226ページです。

90号、 91号と合わせて、2019年度は会誌3冊 計664ページの報告を掲載できました。

事務局では希望される方にそのKORASANA 92号を3000円で頒布しておりますので、その内容について紹介したいと思います。

KORASANA 92号をご希望の方は、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込まれるか、あるいは直接、事務局 國分謙一 kokubu1951@outlook.jpまでお申し込みください。

KORASANA № 92. 2019 目 次

報文

城戸 克弥 [ 森本桂先生を偲んで ]・・・・・・・・・・・・1
今坂 正一 [ 吾が師 森本 桂先生に教えていただいたこと ]・5
上森 教慈・米田 洋斗
[ アカオビケラトリバチの福岡県における記録 ] ・20
長田 庸平 [ シジミチョウ2 種の異常型を撮影 ] ・・・・・21
長田 庸平 [ 佐賀県におけるチョウ類の撮影記録 ] ・・・・26
長田 庸平 [ 大分県におけるチョウ類の撮影記録 ] ・・・・29
長田 庸平 [ 熊本県阿蘇におけるチョウ類の撮影記録 ] ・・30
長田 庸平 [ 宮崎県おけるチョウ類の撮影記録 ] ・・・・・32
正木 清 [ トビイロクチボソコメツキについて ] ・・・・・39
國分 謙一 [ 高椋悌吉に関する資料 ] ・・・・・・・・・・44
城戸 克弥 [ 福岡県のエンマムシ ] ・・・・・・・・・・・45
城戸 克弥 [ 福岡県のシデムシ ] ・・・・・・・・・・・・61
城戸 克弥 [ 筑紫野市大根地山で採集した甲虫の異常型3 例 ]70
田畑 郁夫 [ 昆虫採集余話5 補遺2 : 卑弥呼は八女にいた、
そしてヤマトのルーツはヤメツ(八女津)である ]71
田畑 郁夫 [ 北部九州産広翅類ノート I
(北九州市芦苅谷の情報を含む) ]・・・・・・・89
田畑 郁夫 [ ウンカ・ノート 3 (Delphacids Notes 3)
従来九州未記録だった種の一部と関連種に関する詳細 ]・93
緒方 義範 [ 英彦山で採集した甲虫類 ] ・・・・・・・・・99
井上 翔太・野村 周平・今坂 正一
[ 大分県九重黒岳のFIT で採集されたアリヅカムシ ]・・・105
今坂 正一・築島 基樹・國分 謙一
[ 甑島採集紀行2019 春 ] ・・・・・・・・・・・・・・・113
内藤 準哉 [ 2014 年.2019 年に下甑島で採集した甲虫類 ] 163
佐々木 公隆[ 2019 年に採集された
鹿児島県薩摩川内市甑島の蛾類 ] ・・・・・・177
今坂正一・齋藤正治・築島基樹・江頭修志・有馬浩一
     [ 2018 年に採集した釈迦岳の甲虫類 ] ・・・・183

短報

長田 庸平 [ スマホのフラッシュに反応して
開翅するムラサキシジミ ]・・・・・・・・・・22
長田 庸平 [ 宮古島でショウベンノキの花で
吸蜜するクロツバメ ]・・・・・・・・・・・・22
長田 庸平 [ 南大東島でセイヨウミツバチを撮影 ] ・・・・23
長田 庸平 [ 2016 年2 月、南大東島における
トンボ類の記録 ] ・・・・・・・・・・・・・23
長田 庸平 [ 2016 年6 月、奄美大島における
トンボ類の記録 ] ・・・・・・・・・・・・・24
長田 庸平 [ 英彦山でタカネトンボを採集 ] ・・・・・・・25
長田 庸平 [ 佐賀県佐賀市と神埼市における
トンボ類の撮影記録 ]・・・・・・・・・・・・25
長田 庸平 [ 佐賀県鳥栖市における蛾類の撮影記録 ] ・・・27
長田 庸平 [ 佐賀県鳥栖市と佐賀市における
カミキリムシ類の撮影記録 ]・・・・・・・・・27
長田 庸平 [ 北九州市平尾台における
コウチュウ類の撮影記録 ]・・・・・・・・・・28
長田 庸平 [ 大分県耶馬渓でアブラゼミと
ミンミンゼミを同時撮影 ]・・・・・・・・・・28
伊形 浩信 [ 佐賀県における
カワカミシロチョウの目撃記録 ]・・・・・・・33
伊形 浩信 [ 福岡県における
ミヤマカラスシジミの近年の記録 ]・・・・・・33
伊形 浩信 [ 福岡県における
ミズイロオナガシジミの記録 ・・・・・・・・・34
伊形 浩信 [ 大分県北?西部および
熊本県北部のスギタニルリシジミの記録 ]・・・34
伊形 浩信 [ 福岡県におけるスギタニルリシジミの記録 ] ・35
伊形 浩信 [ 福岡県におけるアオタテハモドキの記録 ] ・・35
伊形 浩信 [ 福岡県でヒメウラナミジャノメの
第4 化と思われる個体を観察 ]・・・・・・・・36
伊形 浩信 [ 福岡県におけるシータテハの記録 ] ・・・・・36
伊形 浩信 [ 福岡県におけるウスイロコノマチョウの記録 ] 37
時津 洋臣 [ クワ属の樹液でネブトクワガタを採集 ] ・・・37
築島 基樹 [ 久留米市における
クロマダラソテツシジミの目撃記録 ]・・・・・38
築島 基樹 [ ニホンミツバチ分蜂群の
捕獲記録(2019 年) ] ・・・・・・・・・・・・38

(表紙)






























表紙解説 アカサビシギゾウムシ

今回は、九州大学総合研究博物館准教授 丸山宗利博士に表紙写真を提供いただきました。

今年9月、本種の記載者である森本桂博士は逝去されましたが、その直前に開催されていた「森本桂コレクションとゾウムシ学」のパンフの中に掲載されたこの写真を借用させていただいたものです。

このゾウムシは1981 年に森本先生により記載されたもので、ホロタイプには今坂の、パラタイプの2頭のうち1頭は城戸さんにより採集された個体が指定されています。

二人とも、森本先生にはひとかたならぬご縁があり、追悼文も掲載させていただいたこともあり、因縁のゾウムシを表紙に使用させていただきました。

今坂と城戸の追悼文は、ほぼ同じ内容を、ホームページにも掲載していますので、覗いていただければ幸いです。

城戸克弥:いつも暖かかった森本先生
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=215

今坂正一:吾が師 森本 桂先生に教えていただいたこと
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=211

今回も、短報では、チョウ、トンボ、ガ、ハチ、セミなど多様なグループの報告が多く見られます。

(アカオビケラトリバチ:久末, 2019より引用)





















(チョウの異常型:上、裏面後翅のオレンジ色の帯が白化したオオルリシジミ、下、後翅裏面の黒斑が消失したタイワンヒメシジミ: 長田, 2019より引用)























(耶馬溪で撮影したミンミンゼミ(上)とアブラゼミ(下):長田, 2019より引用)




















正木さんによる「トビイロクチボソコメツキについて」も注目されます。
コメツキムシ研究家 岸井 尚氏と大平仁夫氏の扱いが異なっている種の1つで、今回、過去の研究者の扱いも含めて、解説された報告です。

(トビイロクチボソコメツキ頭部)










(トビイロクチボソコメツキ上翅・♂交尾器)
















また、城戸氏さんがライフワークにされている定評のある労作、福岡県産甲虫類各群のまとめ、今回はエンマムシと、シデムシです。

エンマムシでは、エンマムシモドキ科(1種)、エンマムシ科(56種)、シデムシではシデムシ科(12種)の福岡県産の記録が記録されています。

あげられている文献も、それぞれ1930年代から現在まで、90年間にもわたる資料を当たって探索されています。

ここに掲載されていない種は福岡県初記録になるわけで、ファウナ調査に興味のある者にとっては、大変助かる報告です。

さらに、城戸さんによる甲虫の異常型3種の写真も目を見張ります。
どんな原因でこのような過剰肢・触角が形成されるのでしょうね。

(異常型3種の図版)


















今回の、田畑さんによる昆虫採集余話5は、91号に掲載された邪馬台国八女説の補足です。

その論考は、古代史好きの読者には一石を投じる内容で、読み応えがあります。

資料を徹底的に読み込んで考察し、自分の足で実地調査を実施するなど、昆虫類の生物地理や分類や変異の考察にも参考になる部分が多々あります。
一言で紹介するには多岐にわたる論考が含まれていますので、興味のある方は、是非、原著を確認してください。

同じく、田畑さんによる北部九州産広腰類ノート Iは、釈迦岳産ハバチ類の追加と、1932 年5 月の竹内吉蔵の九州(福岡県?大分県)採集行について、採集された種についての解説があります。

偶然、たまたま釈迦岳産ハバチ類探索に来られた田端さんと峠付近で出会いましたので、その時の写真を、この後の釈迦岳の甲虫の図版に掲載しています。

続く、ウンカ・ノート 3(Delphacids Notes 3)には、従来九州未記録だった種の一部と関連種に関する詳細として、ホストや雌雄、翅型の変異などが図示、解説されています。

(ウンカ図版)


































緒方さんは200年以降、折りに付け英彦山に出かけて採集した興味深い甲虫87種について、報告されています。

特に、元のスキー場のススキ原で、クロモンヒラナガゴミムシとオオアオホソゴミムシの発見は意外でした。

(左から、クロモンヒラナガゴミムシ、ヒメキノコゴミムシ、ミヤマジュウジゴミムシ、オオアオホソゴミムシ)
















(左から、オオキバハネカクシ、アイヌコブスジコガネ、オオクロナガコメツキ、キンケヒメフトコメツキダマシ、ムナクボミゾコメツキダマシ)












「大分県九重黒岳のFITで採集されたアリヅカムシ」は、今坂が2011年に黒岳に約半年間かけたFITで採集したアリヅカムシを、野村周平博士が同定し、アリヅカムシ研究を志す九大院生の井上君が解説したものです。

(上段左から、コケアリヅカムシ、ヒゲブトトゲムネアリヅカムシの一種 1、Pseudoplectus sp. 1、下段左から、ヤマトキカワアリヅカムシ属の一種 1、ヒロムネトゲアリヅカムシ、オオイシツヤアリヅカムシ)
























井上君の今後の研究に期待しつつ、今後も本誌に寄稿していただきたいと考えています。

甑島の甲虫については、SATSUMA162号に「甑島列島の甲虫類」として883種を記録しました。


これをたたき台として、久留米昆有志により甑島調査を開始し、今回はその下見として実行した今年3月末の甑島採集行の様子を紹介したものです。

(甑島での採集風景)


































春調査の結果、甲虫243種とチョウ14種などを記録し、甲虫では80種を追加しました。

(甑島春の採集品1)































(甑島春の採集品2)































この内容は、5回に渡って以下のように、ホームページに掲載したので、採集状況については、ホームページの方が解りやすいかもしれません。

今年の春の訪れは甑島から1
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=205

今年の春の訪れは甑島から2
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=206

今年の春の訪れは甑島から3
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=207

今年の春の訪れは甑島から4
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=208

今年の春の訪れは甑島から5
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=209
次いで、内藤さんによる同じ甑島の甲虫採集リストです。

内藤さんは2014年から今年6月まで、のべ5回、下甑島で採集調査を実施されていて、多くの専門家の同定を受けられています。それで、是非にとお願いして投稿して頂きました。

181種を記録され、このうち、20種が新記録です。
特に、屋久島固有種として知られていたヤクアオハムシダマシの記録は目を疑うもので、興味深い成果です。

(内藤さんによる同じ甑島の甲虫: 伊藤・今坂, 2019より引用)





























さらに、こちらも佐々木さんによる甑島の蛾の記録です。

今坂・國分・築島による2019年春の採集品、國分・今坂の夏の採集品をまとめて、甑島から78種の蛾を報告していただきました。

キオビクロヒゲナガ、クロシオゴマフボクトウ、シロトリバ、キイロトゲエダシャクなどが注目されるようです。

(左から、クロシオゴマフボクトウ、キイロトゲエダシャク)










最後は、久留米昆採集会を含む2018年度の釈迦岳産甲虫の報告です。

会誌89号で2017年採集の1066種を報告しましたが、2018年度は訂正2種を差し引いて383種を追加し、2年間計で1449種を記録することができました。

その中から、伊藤建夫さんにより、新種 シャカキモンツツナガハネカクシが記載されたことも大きな成果の1つです。、

(シャカキモンツツナガハネカクシ)












2018年度の釈迦岳では9人の会員が参加され、のべ35回の採集行が実施されました。

(釈迦岳採集会の様子とトラップ類)






























興味深いのは、特に力を入れたライトFITにより、多数の追加が得られたことで、ヤマトナガヒラタムシ、セスジムシ4種、ホソエンマムシ3種、エンマムシモドキ、

(釈迦岳の甲虫図版1)






























(釈迦岳の甲虫図版2)


































コメツキダマシ科17種(うち未記載種4種)、クズリュウムクゲキスイ、ツブカクホソカタムシ、ルリツヤナガクチキムシ、マエアカチビキカワムシ、ヒメムネミゾヒラタゴミムシダマシ、ヒコサンノミヒゲナガゾウムシ、ノミヒゲナガゾウムシの一種などがめぼしいところです。

(釈迦岳の甲虫図版3)




























樹洞のイエローパンFITで得られたヒゲコメツキダマシの一種や、草地で得られたクロヒメハナノミの隠蔽種2種も非常に興味深いです。

久留米昆の採集会は、2019年度は英彦山に移ったのですが、釈迦岳の調査もまだまだ調べ足りないような気もします。

なお、久留米昆では、次回、93号を2020年3月末までに発行したいと考えています。会誌には会員からの原稿を、無制限に受け付けています。

発表する機会や会誌が見当たらない虫屋・研究者の皆さん、久留米昆に入会すれば、いくらでも発表できます(1年間の会費:3500円)。

奮って入会し、原稿をお寄せ下さい。

会誌の購入、入会等のお問い合わせは、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込んで下さい。