今坂正一とE-アシスト - KORASANA 91号が発行されました
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昆虫掲示板 : KORASANA 91号が発行されました

投稿者 トピック
imasaka
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  • 登録日: 2018-1-27
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KORASANA 91号が発行されました
久留米昆蟲研究會より会誌 KORASANA 91号が5月7日に発行されました。

総頁182ページ。
89号、90号の250ページ超えとはなりませんでしたが、それでもかなりの大冊です。

事務局では希望される方にそのKORASANA 91号を3000円で頒布しておりますので、その内容について紹介したいと思います。

KORASANA 91号をご希望の方は、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込まれるか、あるいは直接、事務局 國分謙一 kokubu1951@outlook.jp
までお申し込みください。

KORASANA № 91. 2019
目 次

報文

溝部 忠志 [ チョウの軽微な異常個体の報告 ]・・・・・・・・・・・1
長田 庸平 [ 太宰府市四王寺山におけるチョウ類の記録 ]・・・・・・3
長田 庸平 [ 福岡市箱崎のチョウ類の記録(2013 年?2016 年) ]・・4
久末 遊 [ 福岡県におけるケブカアメイロアリの追加記録 ] ・・・・17
久末 遊 [ 大野城いこいの森で採集されたヒサマツハチモドキハナアブ ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
久末 遊 [ 大野城市四王寺山におけるハマダラハルカの採集例 ] ・・21
久末 遊 [ クロビロウドコメツキダマシの鹿児島県本土からの記録 ] 22
森田 誠司 [ 喜界島のごみむし類 ] ・・・・・・・・・・・・・・・25
今田 舜介 [ 能古島初記録のヒゲナガゾウムシ類 ] ・・・・・・・・27
築島 基樹 [ ヒメコブハムシの食草を発見 ] ・・・・・・・・・・・29
田畑 郁夫 [ 昆虫採集余話 2 卑弥呼(ヒミコ)は八女(ヤメ)にいた、そしてヤマトのルーツはヤメツ(八女津)である ]・・・・・・・・・・31
田畑 郁夫 [ 昆虫採集余話 3 奥八女?津江山系「釈迦岳」と英彦山系「釈迦ヶ岳」の名称変遷について ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
田畑 郁夫 [ 昆虫採集余話 4 補遺:卑弥呼(ヒミコ)は八女(ヤメ)にいた、そしてヤマトのルーツはヤメツ(八女津)である ]・・・・・・・53
今坂 正一・村尾 竜起[ 2017-2018 年に採集した水縄山地と釈迦岳のハナバチ類 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
伊藤 玲央・今坂 正一[ 福岡県内で採集したカメムシ類の記録(2018 年) ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
伊藤 玲央・今坂 正一[ 釈迦岳のカメムシ類(2) ]・・・・・・・・・73
江頭 修志 [ 熊渡山の甲虫類(4) - FIT とFIT 以外で得られた熊渡山の甲虫類 - ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81
城戸 克弥 [ 丸山式FIT で得られた東峰村岩屋公園の甲虫類 ] ・・・87
城戸 克弥 [ 東峰村岩屋公園で採集した甲虫類 ]・・・・・・・・・109
小田 正明 [ 鹿児島県稲尾岳山麓で採集した甲虫類III ] ・・・・・117
西田 光康 [ 2018 年に佐賀県西部の照葉樹林2 か所に設置したFIT で得られた甲虫とその消長 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125
越智 恒夫 [ 愛媛県におけるタマキノコムシ科の採集記録 ]・・・・145
今坂 正一 [ ハナムグリハネカクシ類雑記 (2018) ] ・・・・・・・149
齋藤 正治 [ 矢部側中流域左岸堤外地の甲虫 ]・・・・・・・・・・169
有馬 浩一 [ 大分県日田市渡神岳でマダラクワガタを採集 ]・・・・182

短報

長田 庸平 [ 太宰府市四王寺山で観察されたバッタ・カマキリ類 ]・・2
長田 庸平 [ 太宰府市四王寺山でハルゼミの鳴き声を確認 ]・・・・・2
長田 庸平 [ 福岡市西区愛宕山におけるチョウ類の観察記録 ]・・・・5
長田 庸平 [ 福岡市東区志賀島におけるチョウ類の記録 ]・・・・・・6
長田 庸平 [ 北九州市平尾台でゴイシシジミを確認 ]・・・・・・・・6
長田 庸平 [ 夏型ミカドアゲハの交尾を観察 ]・・・・・・・・・・・7
長田 庸平 [ ツワブキで吸蜜するクロツバメシジミ ]・・・・・・・・7
長田 庸平 [ イチモンジチョウを捕食するジョロウグモ幼体 ]・・・・8
長田 庸平 [ 柳川市におけるチョウ類の撮影記録 ]・・・・・・・・・8
長田 庸平 [ 大川市におけるチョウ類の観察記録 ]・・・・・・・・・9
長田 庸平 [ 2013 年に熊本市でカバマダラを複数確認 ] ・・・・・・9
長田 庸平 [ 佐賀県鳥栖市でゴイシシジミを確認 ] ・・・・・・・・10
長田 庸平 [ 脊振山の山頂付近で観察された3 種のチョウ類 ] ・・・10
長田 庸平 [ シイタケの榾木で蛹化したキタテハ ] ・・・・・・・・11
長田 庸平 [ 大分県日田市でツマグロキチョウを観察 ] ・・・・・・11
長田 庸平 [ 大分県中津市山国町でオオムラサキとスミナガシを撮影 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
長田 庸平 [ 大分県中津市耶馬渓におけるチョウ類の記録 ] ・・・・12
長田 庸平 [ 大分県飯田高原における2014 年のヒメシロチョウの記録 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
長田 庸平 [ 大分県別府市由布岳におけるチョウ類の撮影記録 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
長田 庸平 [ クリの花で吸蜜するホタルガ ] ・・・・・・・・・・・14
長田 庸平 [ 新宮町でシンジュサンを捕獲 ] ・・・・・・・・・・・14
長田 庸平 [ 福岡市箱崎で観察できたトンボ類 ] ・・・・・・・・・15
長田 庸平 [ 久留米市高良山でミルンヤンマを採集 ] ・・・・・・・15
長田 庸平 [ 太宰府市四王寺山で観察されたトンボ類 ] ・・・・・・16
長田 庸平 [ シオヤアブがヒグラシを捕食 ] ・・・・・・・・・・・16
小林 修司 [ 大分県黒岳でブンゴヒノモトタマキノコムシを採集]・・24
有馬 浩一 [ 釈迦岳で撮影したオオシロカミキリ ] ・・・・・・・・24
今田 舜介 [ ミツギリゾウムシに関する近年の採集例 ] ・・・・・・26
小旗 裕樹 [ コガタノゲンゴロウをみやま市山川町で採集 ] ・・・・26
築島 基樹 [ 乾燥梅に飛来したワタミヒゲナガゾウムシ ] ・・・・・30

1ページ以上の報文が25編、短報が30編です。

(表紙)






























表紙写真とその解説は、本会会員ではありませんが、久留米市在住の高校生である福山寛馬君にお願いしました。写真の使用を快諾いただいた福山君に、改めて御礼申し上げます。彼は小さい頃から昆虫少年で、現在は昆虫をはじめ、鳥類などの生態写真を多く撮られているようです。カフェで個展を開かれるなど、活躍されています。今後も表紙写真についてのご協力をお願い致します。
(以上、編集後記より)

表紙解説

幸せを呼ぶ青い蜂-ブルービーことルリモンハナバチ-
2018 年8 月16 日 北九州市にて撮影しました。本種は8 月から10 月頃見られます。
他のハナバチの巣に産卵して幼虫はその巣の主の成虫が集めてきたエサを横取りして成長する労働寄生という性質をもちます。 ( 表紙写真・解説 福山寛馬 )

従来の報文は甲虫に関するものが圧倒的に多かったのですが、今回は、チョウ、ガ、アリ、ハチ、ハエ、カメムシ、トンボ、バッタ・カマキリ、セミなど、多彩な昆虫類の報告が掲載されています。

それも、特に、大学生、大学院生など、若い会員が積極的に報告を書いていただいているのが、喜ばしい限りです。

(タイワンツバメシジミの後翅表面色彩異常: 溝部, 2019より引用)














(クリの花で吸蜜するホタルガ: 長田, 2019より引用)














(福岡県産ケブカアメイロアリ:久末, 2019より引用)




















(ヒサマツハチモドキハナアブ:久末, 2019より引用)



















(ハナバチと一緒に得られたヒメツチハンミョウの1 齢幼虫: 今坂・村尾, 2019より引用)















久留米市の東方に連なる水縄山地と、筑後地方と大分県西部に跨がる釈迦岳のハナバチ類27種の報告です。大部分がイエローパントラップに衝突板を取り付けたもので得られていますが、ハナバチ類に寄生するためにしがみついていたヒメツチハンミョウの幼虫多数も同時に得られました。

(釈迦岳のカメムシ2: 伊藤・今坂, 2019より引用)



















釈迦岳のカメムシ類については、89号に引き続き2回目(2018 年分)で、24 科123 種のカメムシ類が記録されています。
2017年度の調査で採れていない種が43 種あり、2 ヶ年で合計156 種が確認されたことになります。

甲虫は例年の様に多くの方から投稿いただいており、種としては、久末さん(鹿児島県南大隅町佐多馬籠産)と、齋藤さん(福岡県みやま市瀬高町小田)が報告されたクロビロウドコメツキダマシの記録が目に付きました。

本種は宮崎県、屋久島、種子島と台湾から記録されていて、前者は鹿児島県本土の初記録、後者は福岡県初記録で本種の北限記録になります。

(クロビロウドコメツキダマシ: 久末, 2019より引用)























また、ヒメコブハムシの食草発見の記事(築島, 2019: アレチギシギシ)も注目されます。

本種が含まれるムシクソハムシ属は国内で9種が知られています(今坂・林, 2011)が、本種とハバビロコブハムシ、ヤクシマコブハムシの3種の食草が知られていませんでした。

後の2種は比較的珍しい種ですが、九州では各地に普通の本種の食草が見つからないのが不思議でした。
さまざまな環境で採れていますので、さらにいくつかの食草が見つかるものと予想しています。

今坂正一・林 成多, 2011. 日本産ムシクソハムシ属 Chlamisusの絵解き検索. ホシザキグリーン財団研究報告, (14): 179-187.

地域の甲虫相の記録として、江頭さんの熊渡山の甲虫類の4回目、小田さんの稲尾岳山麓で採集した甲虫類の3回目、齋藤さんの矢部側中流域左岸堤外地の甲虫などがあります。

(齋藤, 2019の図版)
































城戸さんは2018年は英彦山山系の中腹にある東峰村岩屋公園での成果を発表されています。

この地は標高320mの社寺林を中心にした森林で、丸山式FITで485種、その他の一般的な採集で219種を採集されています。

(城戸, 2019 2つの報告の図版)




































































興味深いのは、ブナ帯が分布の中心で、とてもこんな低い地域に生息しているとは想像できないヤマトナガヒラタムシ、ヤマトセスジムシ、ミゾバネナガクチキムシ等が得られた一方で、暖地性のシロモンオオヒゲナガゾウムシなどが同時に見られた点であるそうです。

また、西田さんは、佐賀県西部の照葉樹林2 か所(唐泉山と黒髪山)に設置した吊り下げ式FITの成果を報告され、合わせて442種を記録されました。

(西田, 2019の図版)































2ヶ所の植生・標高を対比しながら、得られた種類構成や出現期の違いなどについても考察されています。今後もしばらく調査を続けられるそうです。

さらに、越智さんは、四国初記録となるモモナガオオタマキノコムシとイヌカイヒゲブトチビシデムシを含む愛媛県産タマキノコ14種、チビシデムシ8種、ヒゲブトチビシデムシ2種を報告されています。

(越智, 2019の図版)















また、今坂は、2015-2018年に採集し、多くの方から援助いただいた西日本産のハナムグリハネカクシ類の知見のまとめをして、19種を区別する検索表の試案を報告しました。

(今坂, 2019の図版)































































さて、意図的に後回しにしましたが、91号には、まったく虫の名前が登場しない田畑さんの文章が掲載されています。

3編の中間にある昆虫採集余話 3 は「釈迦岳」と「釈迦ヶ岳」の名称変遷についての論考です。

昆虫採集余話2と4ですが、タイトルは、「卑弥呼(ヒミコ)は八女(ヤメ)にいた、そしてヤマトのルーツはヤメツ(八女津)である」、そして、その「補遺」です。

興味のある方は是非、本文を会誌でゆっくりご覧下さい。

その中に、論考のベースとなる多くの地図が出てきますが、説明によると、「基本線を地図から全て手描きでトレースし、パソコンに取り込み、Windows のペイントを用いてマウスで再度全て手描きし、着色したが、海岸線と河川流路の推測が困難だった。いまどき、このような手作業をする御仁はいないだろうから、信じられないかもしれないがこれは全て描いたものである」と書かれています。

魏志倭人伝に掲載されている距離の単位「里」の現在換算の長さの考察を始め、全ての事象について、綿密に計算し、推敲を重ねた上での考察のようです。

一般に出回っている邪馬台国論と比較しても、今坂個人の感想としては、地図を手書きし、必要な写真を撮るためだけに登山し、綿密に計算し、それらを合わせて熟考される等々、よほど科学的・実証的な考察と考えます。

今坂は、その結論には8割方納得できます。
気になる方は、是非、入会して、あるいは、この号だけでも購入して、お読みください。

なお、久留米昆では、次回、92号を夏から秋くらいに発行したいと考えています。会誌には会員からの原稿を、無制限に受け付けています。

発表する機会や会誌が見当たらない虫屋・研究者の皆さん、久留米昆に入会すれば、いくらでも発表できます(1年間の会費:3500円)。

奮って入会し、原稿をお寄せ下さい。

会誌の購入、入会等のお問い合わせは、このホームページ左上の「おたより」をクリックして申し込んで下さい。