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2007年2月26日(月曜日)

今考えていること

カテゴリー: - imasaka @ 11時54分08秒

はじめまして。色々な虫のことで、今考えていること、昔考えて書いたことなどを、綴ります。最初に、数回に渡って日本で最も美しいと考えている甲虫(コウチュウ)・生きている宝石「アオハムシダマシ類」のことを、一昨年まとめた「日本産アオハムシダマシ属の再検討」(今坂正一, 2005)から抜粋・改変して、お届けします。文中の人名については仮名を使用します。元の文章は比和科学博物館研究報告44号に掲載されています。

アオハムシダマシ属をめぐって(その1)

◇アカガネハムシダマシ
京都市北方、市街地のはずれに小高い丘陵が連なっている。その東端に当たる松ヶ崎山は比叡山の麓、岩倉の里の入り口に位置する。

アカガネハムシダマシかつて、虫を始めたばかりの学生時代、名前の通りアカマツを主とする雑木林に覆われたこの山を、瑠璃色に輝くクビアカドウガネハナカミキリを求めて彷徨った。このカミキリは春先に花に集まるとの情報があり、ウシコロシやガマズミ、ウツギ、コナラなど片端から白い花を中心に掬っていった。結局採れたのは通常の花とは趣の異なるマツの花で、それもネットや体中が花粉で真っ黄色になるほど花を叩いて、ようやく一頭が得られた。あちこち叩いてみると、マツの花には他の虫も結構集まっており、中でも赤や紫、緑などいろんな色に美しく輝く甲虫が多数見られた。こちらはマツだけではなく他の花上でも見られ、美しいこともあって手当たり次第採集し持ち帰った。

北隆館の大図鑑を広げてみると、アカガネハムシダマシの名前で載っており、「背面は銅緑色より赤銅色、時には藍色に光り、体下は通常銅色に光る」とあった。同じように花に来ている状況と、背面はさまざまな色をしていても、肢は大部分が黄褐色で、腿節先端部は黒く、体型もほとんど変わらないことから、すべて一つの種であることを納得した。

◇アカハムシダマシ
日ならずして、次にはシカの名所として知られる奈良公園に出かけた。当時そこはカミキリ採集の初心者には、春先の柳生街道に咲くカエデの花に集まるミヤマルリハナカミキリや、春日山山麓のアカメモチの白い花に集まるクビアカモモブトホソカミキリの多産により、有名であった。それらを得るべく知人に地図を書いてもらって、奈良駅から歩いて町を通り抜け、公園を抜けて、春日山を目指した。公園脇のアカメモチの花にはカミキリ類が群がっていたが、その中に、アカガネハムシダマシの色とりどりの姿も見られた。

アカハムシダマシ東大寺の裏のあたりを過ぎると、春日山はモミとシイを中心としたうっそうとした原生林に覆われており、林縁にひっそりと咲くウシコロシの花上で、赤紫色に輝くハムシダマシを見つけ、思わず採集した。アカガネハムシダマシよりやや大きく、肢全体が黒いので別の種のような感じがした。

帰宅して調べてみると確かに大図鑑にはアカハムシダマシとして別種で載っていた。その後も、日当たりの良い花に多数群がるアカガネハムシダマシに対して、アカハムシダマシは深い森の中の下生えの花などに、一頭、また一頭と単独で見られた。初夏に出かけた伯耆大山のブナ林中でも、アカハムシダマシは暗い林内のタンナサワフタギの花上から、ポツポツとみつかった。(つづく)


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