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カタモンマルハナノミの九州南端の記録

今坂正一・吉富博之

カタモンマルハナノミは、鹿児島県奄美大島東仲間産を基に記載された種で、Yoshitomi(1997)では、奄美大島・徳之島・沖縄本島から記録した。日本産Sacodes属の中にあっては、唯一、前胸背は外周を除いて暗色で、上翅肩部に黄褐色紋を持つ。
今坂は2006年4月24日鹿児島県薩摩半島南端に近い坊津周辺で採集する機会を得たが、その際、同行者が本種を採集したので報告したい。調査に同行し、貴重な標本を恵与いただいた田畑郁夫氏に心からお礼申し上げる。

◎カタモンマルハナノミ Sacodes amamiensis (M. Sato)
1♀ 鹿児島県南さつま市坊津車岳山麓標高100m付近 24. IV. 2006. 田畑郁夫採集・吉富同定・今坂保管。
採集地は南さつま市坊津の町の背後にある耕作地から、車岳の西山麓を横断する林道に入ったあたりで、シイ・カシ・タブなどの二時林であった。本種は、田畑氏が沢沿いの樹葉のスウィーピングにより採集した。
九州産は奄美大島・沖縄本島産と比較して、特に差異は見あたらなかった。
なお、当地を含む薩摩半島南部では、従来、奄美大島以南で記録されている種が、数種発見されている。同じく琉球系の種の多産で注目されている大隅半島南部と比較して、ほとんど調査がなされていないので、今後も調査が進めば多くの興味深い種が発見される可能性が高いと推定される。

参考文献
Yoshitomi, H.,1997. A revision of the genera Elodes and Sacodes (Col., Scirtidae). Elytra, Tokyo, 25(2): 349-417.


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